イタリアの美味しいオーガニックワイン(主に赤ワイン)をご紹介!地中海気候は葡萄の栽培にうってつけで、イタリアには、土着のぶどうから正統派のものまで本当に数多くのブドウ品種があり、さまざまな美味しいワインが作られています。フランスとほぼ並ぶワインの輸出国。ワインの生産は紀元前2000年頃からで、最初は宗教行事や、また薬として飲まれてきました。

軽めのワインがほしいとき、パスタなどイタリア料理に合わせる時は、イタリアワインを探してみます。ワイン売り場に行くと、イタリアワインも迷うほどたくさんありますが、できるだけオーガニックワインを選びますお手頃な価格で、美味しくて安心して飲めるものがいろいろあります。(ここでは1000円台~2000円以下のワインが中心です。★★★は、とてもお薦めのワイン)

◆EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めているので、安心できます。詳しくは目次の最後の「ワインの亜硫酸塩について」の項を、どうぞ。

1..75 カベルネ テッレ・デリ・オ-シ バイオ 2017(イタリア、赤ワイン)

.75  Terre Degli Osci (IGT) Cabernet 2017
(ワイナリー:コッレ セレーノ)

イタリアのMolise地方(イタリア南部)にあるワイナリー「コッレ セレーノ」(Colle Sereno)のオーガニックワイン(バイオ=オーガニック)。

オーガニックワイン

そんなに日本には入ってきていないようで、たまたま池袋西武のザ・ガーデンで発見、買ってみました。(2020年5月)

アルコールは13.5%(2016ものだと13%みたいですが)、IGT(Indicazione Geografica Tipica/地域特性表示)のワイン(=その土地のぶどうが85%以上使われている)

「.75」が何を意味するのかは、調べたのですが不明でした。このワイナリーには、その名前で毎年ワインが作られています。ラベルもとてもかわいいものがありますが、日本には輸入されていないみたいですね。

フルーティですが、ボディはあまり感じない軽い飲み口。サラッと飲みたいときには、いいかもしれません。最初は酸味を強く感じましたが、飲んでいるうちにちょうど良くなってきました。透明感のあるルビー色です。

ワイン管理のアプリ、vivino.comでは、スコア3.2。まあまあかな?フルーティ、おいしい、コスパは良い、などの感想があります。2016年のものがビンテージのようで大変おいしいという声も。お料理はビーフやパスタ、ラムに合わせるといいそうです。

2.モンテプルチアーノ ダブルッツォ オーガニック 2018(イタリア、赤ワイン)

Montepulciano d’abruzzo 2018
(メーカー:カンティーネ・ヴォルピ(CANTINE VOLPI))

ピエモンテ(イタリア)の生産者「カンティーネ・ヴォルピ」(CANTINE VOLPI)によるオーガニックワイン。

オーガニックワイン

最近はよく見かけますが、1000円ちょっとなので気軽に買えます。

メーカーの「ヴォルピ家」は、ピエモンテ州のトルトーナ地区でワイナリーを経営していますが、3代目のカルロ・ヴォルピ氏がイギリスのオーガニック専門商社「ボトル・グリーン社」と提携して、イタリア各地のブドウを使ったオーガニックワインの生産を始めました。

質のいいオーガニックぶどうを作る生産者が、なんと手摘みで収穫したぶどうを使い、現地の醸造所で厳格な管理の元ワインを造っています

このモンテプルチアーノ ダブルッツォ オーガニックという名前は、生産地区がアブルッツォで、ブドウの品種がモンテブルチアーノという意味です。

このメーカー、カンティーネ・ヴォルピによるオーガニックワインには、5~6種類あって、どのワインのラベルにも、右下のほうに赤いてんとう虫の絵が描いてあるのが特徴!これが可愛くて、最初、思わず買ってしまいました!

オーガニックワイン

自然体系を壊さないように農作物を栽培するオーガニック農法には、てんとう虫やカマキリを使って害虫を駆除する方法があるので、そんな意味合いがこのラベルのテントウムシに込められているのかなと思います。

裏のラベルには、「熟した果実味と柔らかな渋みが調和した味わい」と書いてありますが、本当にそんな感じで、軽いのですが、開けてから少し時間をおいておくと柔らかな渋みが感じられて、よりおいしくなります。

(ソムリエでも何でもない素人ながら、最近感じるのですが、ワインは開けてから少なくても1時間ぐらい置いておくとおいしくなるような気がします。高級ワインには当てはまらないかもしれませんが)

さらに、HPなどを見ると、「品種特有のアーモンドやチェリーのような香り、プラムや野イチゴの赤い果実の風味味と柔らかい渋みがバランスの良く広がる優しい味わい」とあります。アーモンド、チェリー、プラム、野イチゴなんて言われても・・・、それらの風味までは良くわからないのですが、とても優しい味わいです。

2017年にベルリンワイントロフィー2018金賞、2018年にベルリンワイントロフィー2019金賞を受賞しているようですが、2018年のものがとてもおいしいと、vivino.comにコメントがあります。

3.ヴィーニャプーラ ロッソ オーガニック 2017(イタリア、赤ワイン)

Vignapura Rosso Organic
(生産者:Cinque Segni/チンクエセンニ)

ラベルが気になっていた、オーガニックのワイン。とうとう購入してみました!

オーガニックワインヴィーニャプーラ1

チンクエセンニは、イタリアが誇るワインとアートを組合せて、新しい魅力をワイン造りの伝統に加えたいと思う5人の仲間が2008年に始めた、イタリアのプーリア州とシチリア島の自社農園でワイン生産をしている会社だそうです。だからラベルにも凝っているんですね!

また、素晴らしい国際経験を持つ21人のワイン醸造学者チームとともに、世界87か国以上でワインの生産とマーケティングを行っているイタリア中南部のリーダーであるファンティーニ・グループ(Fantini Group)の会社となっています。

ラベルの四つ葉のクローバーは、極薄のセラミック製。世界の主要国で特許を取っているそうですが、このシリーズには、四つ葉だけでなく、月や、ハートのセラミックが付いたラベルもあります(でも日本の店頭ではなかなか見ません。イタリアにいったらお土産にするといいかも!)

オーガニックワインヴィーニャプーラ2

(写真下は横から見たクローバー。セラミックで厚みがあります)

オーガニックワインヴィーニャプーラ

(飲み終わったので、クローバーを外してみました。何かに使えるかな?)

オーガニックワインヴィーニャプーラ

ワインに使用している葡萄は、Primitivo(プリミティーヴォ、イタリア共和国の南部にあるプーリア州を中心に栽培されている赤ワイン用ぶどう品種)80%、ネグロアマーロ15% 、アレアティコ5%。

ワインの色は、紫色がかったルビー色でとても美しいです。味は、最初はとてもキリっとした赤ワインでコクよりも果実の酸味が感じられますが、時間が経つと少しまろやかになり香りを楽しめるようになりました。

四つ葉のクローバーは縁起がいいので、プレゼントにいいですね!vivino.com では、2017年物の評価が一番高く3.7。日本だけのアプリ、vinica.me ではちょっと低評価。日本人には合わないのかな?(でも温度管理とかいろいろあるので何とも言えませんが)主観ですが、自宅用だったら1000円ちょっとぐらいで買えるなら、買いかなと思います。

4. オーガニック ネーロ ダーヴォラ ナターレ ヴェルガ(イタリア/シチリア、赤ワイン)

Organic Nero D’avola Natale Verga
(ワイナリー:ナターレ ヴェルガ)

ラベルが可愛くて、思わずジャケ買いしてしまったワインのひとつ。値段も1000円台前半で、手頃です。

ワインリスト12

ボトルのイメージから、重め(濃い)のワインかと思いがちですが、まろやかでフレッシュな果実の味がして、飲みやすいワイン最初はやや酸味が強い気もしますが、でも甘さもありフレッシュな味わい。少し置いておくと酸味が弱くなり、断然飲みやすくなります。私は1日か2日置いたほうが好きでした。

「酸がしっかりしている。フレッシュな果実味のあるワイン」「雑味や引っ掛かりも特になく、飲みやすかったワイン」「甘め。ブラックベリー系。口中でふわっとアルコール感。」「全体的にマイルドなので軽やかな甘さが心地良い」などの口コミが見られます。

ワインリスト12-2

ぶとうの品種は、Nero d’Avola (ネロ・ダーヴォラ)という、シチリア島に土着の黒ぶどう。Nero d’Avolaとは、「アーヴォラの黒」という意味で、以前は価格が安かったため、軽いワインに色合い・ボディを加えるためのブレンド用ワインとして利用されてきました。でも近年、その素晴らしい価値が見直され、確立され、世界的に認められる品種となっています。

ワイナリーのナターレ ヴェルガは、1895年にエンリコ・ヴェルガにより創業された家族経営のワイナリー。ロンバルディア、ヴェネト、アブルッツォ、シチリアなどイタリアの北から南まで、様々な地域でぶどうを栽培し、近代化された設備・研究所を駆使して、高品質低価格のワインを実現。そのワインは世界中で評価されている、イタリアでも最大級規模のワイナリーです。

アメリカでは、このオーガニック ネーロ ダーヴォラ ナターレ ヴェルガは、9ドルぐらいで販売されているようで(2022年9月時点)、コスパが良くて、しかもオーガニックの美味しいワインという評価が多いです。vivino.comでの評価は、3.5と高め。日本のvinicaでは、2.88。

◎ちなみに、このワイナリー「ナターレ ヴェルガ」の「ナターレ・ヴェルガ モスカート スプマンテ」(スパークリング)は、日本の「サクラアワード 2022」でダイヤモンドトロフィーと、ダブルゴールドを受賞しています。

5.ヴィラ・エレナ キャンティ オーガニック(イタリア、赤ワイン)

Villa Elena Chianti Organic 2020
ヴィラ・エレナ キャンティ オーガニック

キャンティにオーガニックがあるのを発見!思わず、買ってしまいました。

ワインリスト14-1

思えば「キャンティ」は、東京・六本木(というか港区麻布台)のイタリアン・レストランの名前として1960年から多くの人に馴染みのある名前。もちろんこのレストランの名前は、イタリアン・ワイン「キャンティ」にちなんでつけられています。

この、映画監督、作家、音楽家、デザイナー、そして皇室関係者まで様々な文化人が交流した華やかなレストランのことはウィキペディアに任せるとして、ワインの「キャンティ」は、19世紀から、とても飲みやすい、トスカーナ地方を代表するワインとして人気でした。

それまでのトスカーナのワインは、サンジョヴェーゼ種のブドウのみで作られ、硬質な味で飲みにくかったのですが、他の品種を混ぜることでとても飲みやすくなったのです。

その後、国外でも大変人気になり、乱造されて質の悪い安いキャンティも出てきたため、生産者の一部が「キャンティ クラシコ」という組合を結成。品質にこだわることで、再度高い評価を得るようになりました。

ワインリスト14-2

キャンティは庶民的なイメージもありますが、実はイタリア・ワインの格付けの中では、最上位の等級であるD.O.C.G.ワインに分類されます。その中でさらに、「D.O.C.G キャンティ」「D.O.C.G キャンティ クラシコ」「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」の3つに格付けされます。

「D.O.C.G キャンティ」はトスカーナ地方全般で造られ、使うぶどうの品種は『サンジョヴェーゼ種70%以上、白ブドウ10%以内、黒ブドウ15%以内』と決まっています。

「D.O.C.G キャンティ クラシコ」は、最も歴史のあるキャンティ地方のみで醸造されます。ブドウ品種は、『サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみ』。そして、最高の格付けの「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」は、『サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみ』で、さらに『全て自社畑のぶどうに限る』という条件付き。

熟成期間もそれぞれ決まっていて、「D.O.C.G キャンティ」は最低でも収穫年の翌年2月末まで、「D.O.C.G キャンティ クラシコ」は収穫年の翌年9月末まで(リゼルヴァの場合は24ヶ月(瓶内では 3ヶ月))、「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」は最低30ヶ月(瓶内では 3ヶ月)です。

このワインの生産者は、Cantina Sorelli (キャンティーナ ソレッリ)。ソレッリは、1900年にフィレンツェに創られた、キャンティを代々造り続けている家族経営のワイナリーです。コストパフォーマンスの高いワインを安定して提供しています。

オーガニックは2種類作っているようですが、このヴィラ・エレナ キャンティ オーガニックは、もう一つのソレッリ キャンティ・オーガニックより若干安めのようです。(どちらも日本で千円台前半ですが)

とても深いルビーレッド色で、やや辛口。辛めでも軽くて飲みやすいのですが、1日ほど置いておくと、さらに大変飲みやすく、ワインの説明にある果実の香りや程よいタンニンが分かるようになりました。(それまでのショップの保管状態にもよると思うので一概には言えませんが)

ワインサイトのvinica.meでもvivino.comでも口コミが少なく、評価はそれぞれ2.75、3.3。コスパがとても良く飲みやすいキャンティです。

6.バルーン ネロダヴォラ オーガニック(イタリア、赤ワイン)★★★

Balloon Nero d’Avola
(ワイナリー:ボッタ―/ボッターカルロ))

可愛い紙に包まれたような姿に、思わずジャケ買い。大正解でした!

ネオタボラ1

イタリアのワイナリー(家族経営の会社)ボッタ―・カルロ(Botter/Carlo Botter)のワインで、葡萄はシチリアで有機栽培されたネロ・ダヴォラ/ダヴォーラ(Nero d’Avola)100%。農薬や化学肥は一切不使用の、EU認定のオーガニック農法で育てられた質の高い葡萄で、さらに、陰干しぶどうを部分的に使用しています。

陰干しぶどうのお陰なのか、深みのあるコクと甘みが感じられる力強い味わい。ベリー類を感じさせるフルーティさと、適度なタンニンがとてもバランス良く、私の感覚ではややスモーキーな感じもして、とても美味しかったです。数日かけて飲みましたが、最後まで飽きることなく楽しめました。ミディアム・ボディです。

バルーン(=気球)という名前は、「気球のような膨らみのある豊かな味わい」を表現し、また、シチリアから世界に飛び立つ、という意味も込めてつけられました。

ネオタヴォラ2

ネロ・ダヴォラという葡萄品種は、シチリア島が誇る品種で、古代ローマ時代から栽培されてきた伝統的な歴史ある葡萄です。実はイタリアは南北に長いため、伝統的な葡萄が430品種ほどもあります。フランスワインのような味を出すためにフランス原産の葡萄を栽培・使用するワイナリーも多い中、ボッタ―は、様々なイタリアの伝統的葡萄を使い美味しいワインを作り続けている生産者です。何だか応援したくなりますね。

vivino.comの評価では3.6。2018年物が一番高い評価になっています。この美味しさで、値段は1000円台後半なので、とてもコスパのいい、おすすめのワインです。

暑い夏は、シチリア流に少し冷やして飲むといいようです。

ボトルの後ろ姿も素敵です。日本の着物を連想してしまうのは、私だけでしょうか。

ネロダヴォラ3

7.ランブルスコ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ セッコ オーガニック ★★★(コスパ最強!イタリア、微発泡の赤ワイン)

Lambrusco Grasparossa di Castelvetro Secco Organic / Cantina Settecani
(ワイナリー/生産者:セッテカーニ)

ワインリスト17ランブルスコ1

イタリアの微発泡の赤ワイン最初からとても飲みやすく、(本来の飲み方ではないと思いますが)数日おいて発泡がやや弱くなっても、まだ美味しく飲めるワイン!美味しいのに安くて、コスパ最強!とってもおすすめです!

この生産者「セッテカーニ」は、辛口(ドライ)、甘口のランブルスコを使った高品質でおいしいワインも有名ですが、このオーガニックもまた飲みやすく味わいがあって、美味しいです。発泡の加減も微発泡で丁度良く、食事を邪魔しません。果実風の味わいがして、若干の酸味と渋み。本当に嫌味なく飲める微発泡赤ワインです。

今の値段は、1200円ぐらいなので、今とってもコスパのいいワインかなと思います。(2023年)

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生産者は、イタリアのカンティーナ・セッテカーニ(Cantina Settecani)。イタリア北部にあるエミーリア・ロマーニャ州(エミリア・ロマーニャ州)のモデナ県で、ランブルスコ(ぶどうの品種)のワインをつくる、1923年創業の生産メーカーですが、セッテカーニ社は、約200の農家からなる生産者組合です。

創業時から「農薬や化学肥料を使用しない環境に優しいぶどう栽培」を行っていて、2016年にイタリア政府の環境認証V.I.V.A.を取得。この認証は「自然環境保全を基本とした農法を行うサステイナビリティーの認定」で、審査が2年ごとに行われるため、環境にやさしい栽培が持続的に行える生産者だけが取得し続けられるものです。

ちなみに、セッテカーニ社のオーガニックではないワイン「ランブルスコ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェートロ・セッコ」(微発泡 seccoセッコ:ドライ/辛口)は、ガンベロ・ロッソでオスカー受賞(=コストパフォーマンスに優れたワイン)。「ランブルスコ・アマービレ(甘口) 赤 微発泡」は、イタリア最大の国際展示会ヴィニタリーで2017年5つ星取得。どちらも、美味しくてコスパも良さそうです。

どのワインも、ラベルに犬のマークがついていてキュート!でも実は、ちょっとコワいカンティーナ・セッテカーニ社のあるセッテカーニ村の伝説に基づいているんです。昔から美味しくて有名だったこの村のワイン(神に捧げるためのもの)を、造っていた7人の修道士があまりに美味しくて、ある日全部飲んでしまったので、怒った神様が7人を犬に変えてしまったとか。そこで、この「ランブルスコ グラスパロッサ・ディ・カステルヴェトロ セッコ オーガニック」には7匹の犬が描かれています(1匹が濃く、6匹は薄い色で)。他のランブルスコのラベルには、1匹ずつ。やはりこのランブルスコが、このブランドのシグネチャー・ワインなのでしょうか。

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エミリア・ロマーニャ州と、ランブルスコ種について

州都ボローニャの北西部が「エミリア地方」、ボローニャより南東部が「ロマーニャ地方」。エミリア地方は、ポー川流域の平地が肥沃なため質の良いブドウ栽培が出来ず、土地に適したランブルスコ種を栽培してきました。ランブルスコ種はタンニンが少ないので、そのまま(スティル)だと食事に負けてしまうため、微発泡性の赤ワインを生産してきました。

ランブルスコを生産するエリアも、モデナ県からエミリア県にまたがり大変広く、地域によって違う味わいのランブルスコが作られています。

ランブルスコのワインは、日本では甘口が人気ですが、イタリアでは辛口が主流。前菜からメイン、チーズにも合わせられる万能ワインとして飲まれています。

◆ワインの亜硫酸塩について

ワインには、酸化防止や殺菌効果、保存のためなどに亜硫酸塩(SO2)が添加されています。亜硫酸塩は、ワインが創られ始めた古代ローマ時代から、樽の消毒などに使われていました。葡萄が発酵する過程でも少量、自然に発生するもので、ワインの味とも深く結びついています。

ただこれが、肝臓の働きを鈍化させたり、糖とアルコールの分解を遅くすると言われ、ワインを飲んだ後の頭痛の原因になっている場合もあります。さらに喘息の人だと、少量の摂取で有害反応を起こすことも稀にあると言われています。

ワインの生産者は現在では、いかに亜硫酸塩の量を減らして美味しいワインを作るかに切磋琢磨していますが、安いワインを大量生産しているメーカーには、亜硫酸塩の量など全く気にしていないところもあります。

そこで、美味しくて、少しでも体に害のないワインを飲みたいので、今は選ぶなら、明確な基準のあるEUのオーガニック認証を受けたワインにしています。EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めています。(赤ワインは使用上限が1リットルにつき100mg、白ワイン・ロゼワインは1リットルにつき150mg。白ワインとロゼワインでは残糖が1リットルにつき2g以上の場合、上限を1リットルにつき30ml引き上げられます)