フランスのおいしいオーガニックワイン(主に赤ワイン)をご紹介します。

ワイン売り場に行くと迷うほどたくさんのワインがありますが、できるだけオーガニックワインを選んでいます。お手頃な価格で、美味しくて安心して飲めるものがいろいろありますよ。(ここでは1000円台~2000円以下のワインが中心です。★★★は、とてもお薦めのワイン)

◆EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めているので、安心できます。詳しくは目次の最後の「ワインの亜硫酸塩について」の項を、どうぞ。

1.コション・ヴォラン ルージュ 2019 (赤ワイン、フランス/空飛ぶ豚) ★★★

Cochon Volant Rouge 2019 ★★★
(シャトー・ド・キャラギーユ)

これもラベルにつられて買ってしまいました!

オーガニックワイン

Cochon Volant(コション ヴォラン)は「空飛ぶ豚」という意味(cochon=豚)でラベルそのもの。南仏ラングドッグ地方のコルビエール地区にあるシャトー・ド・キャラギーユで造られています。

このシャトーは、12世紀から続く伝統あるところで、1983年からリオネル・フェーヴル氏がビオによる葡萄栽培に転換。エコセール(オーガニックの認証)も取得し、今はこの地域で最大のビオワイン・メーカーとして有名です。

味わいは、輸入元によると「充分な果実味を持ち、甘いタンニンと共に心地よい酸味がワインに立体感を与えている」と表現されていますが、強い赤という感じではなく、とても優しい味わいでバランスがとれた味です。辛口・フルボディとされていますが、オーガニックワインならではの、なめらかで優しい味を感じます。いわゆるフルボディが苦手な人でも、きっと充分大丈夫!

赤の他に、白やロゼもあるようですが、どれもバランスのいい優しい味のようです。vivino.comでは、2019の赤は3.5、白は3.6と良いスコアです。赤は2017だと3.7、白は2016だと3.8です。値段は2000円弱ほど。

オーガニックワイン

ラングドッグ地方の伝統料理と言えば、「カスレ」といういろいろな肉(鴨や豚、ソーセージなど)と豆の煮込み料理ですが、豚はこの地方ではとても身近なんでしょうか。ユニークなラベルの由来、知りたいです。

2.ナチュール・ド・テロワール シラー オーガニック2018(赤ワイン、南フランス)

Nature de Terroir Syrah
(ワイナリー:ドメーヌ・コスト・ルース)

ドメーヌ・コスト・ルースは、南フランスで100年以上続くオーガニック・ワイナリー。今は、3代目のジャン・パスカル氏が受け継いでいます。

おいしいオーガニックワイン6

ぶどうの品種は、シラー。シラーは、コート・デュ・ローヌ地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、タンニンが豊富な力強くジューシーな味わいになります。香りは、「ブラックベリー、黒コショウ、ビターチョコレートなどインパクトのある香り」といわれます。

現在シラーは世界中で生産されている国際品種で、品種そのものの強い個性がありながら、育てられた産地の特色を色濃く反映したワインとなります。

このワインも、辛口・フルボディに分類されますが、温暖な地中海気候の南フランスで、有機栽培で丁寧に育てられたシラーを使って低温でじっくりと発酵しているからか、力強い感じがありながら重すぎるフルボディではなく、とても優しいまろやかな味わい。ちょっとフルーティで複雑な良い香りがします

日常使いでフルボディ風のワインが飲みたいなら、最適!とってもおすすめです。2017年に、ジルベールエガイヤール2018金賞を受賞しています。(ネットを見ていると、2016の評判はあまり芳しくないようですが、2018は美味しいと思います)

おいしいオーガニックワイン

余談ながら、オーストラリアでは、シラーはシラーズと呼ばれています。

3. ドメーヌ・ド・セラム メルロー 2018(赤ワイン、フランス)

Domaine de Serame Merlot 2018

オーガニックワイン

これは、メルロー100%のオーガニックワイン。成城石井にあったので、思わず買ってしまいました。値段は1300円+税。メルローは、フランスのボルドー地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、まろやかな甘いようなフルーティな味わいがあります。

メルローの香りは、プラム、ブルーベリー、チョコレートなどのような香りと表現されますが、そこまでは分からないのですが、何だか優雅です。

このドメーヌ・ド・セラム(2018)も、やっぱりまろやかで、最初やや甘すぎるかなと感じますが、時間が経つと程よい優しい味わいに。ワインが苦手な人でも飲めそうな、ややジュースのような味わいでした。

オーガニックワイン

vivino.comでは、2008がとても良いと書かれています。2018や2019のものは、それに比べるとちょっと評価が低くなっています。

生産者ワイナリーは、フランスのラングドッグ地方にある”Chateau de Serame”。歴史のあるワイナリーですが、2002年にボルドー・ワインの権威であるドニ・デュブルデュー博士がコンサルタントをして土壌改良などをし、高品質ワインを生産するようになり、2010年からぶどうの有機栽培に取り組み、2013年オーガニック認証を得ています。

◆ワインの亜硫酸塩について

ワインには、酸化防止や殺菌効果、保存のためなどに亜硫酸塩(SO2)が添加されています。亜硫酸塩は、ワインが創られ始めた古代ローマ時代から、樽の消毒などに使われていました。葡萄が発酵する過程でも少量、自然に発生するもので、ワインの味とも深く結びついています。

ただこれが、肝臓の働きを鈍化させたり、糖とアルコールの分解を遅くすると言われ、ワインを飲んだ後の頭痛の原因になっている場合もあります。さらに喘息の人だと、少量の摂取で有害反応を起こすことも稀にあると言われています。

ワインの生産者は現在では、いかに亜硫酸塩の量を減らして美味しいワインを作るかに切磋琢磨していますが、安いワインを大量生産しているメーカーには、亜硫酸塩の量など全く気にしていないところもあります。

そこで、美味しくて、少しでも体に害のないワインを飲みたいので、今は選ぶなら、明確な基準のあるEUのオーガニック認証を受けたワインにしています。EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めています。(赤ワインは使用上限が1リットルにつき100mg、白ワイン・ロゼワインは1リットルにつき150mg。白ワインとロゼワインでは残糖が1リットルにつき2g以上の場合、上限を1リットルにつき30ml引き上げられます)