スペインのおいしいオーガニックワイン(主に赤ワイン)をご紹介します!
ワイン売り場に行くと迷うほどたくさんのワインがありますが、できるだけオーガニックワインを選んでいます。お手頃な価格で、美味しくて安心して飲めるものがいろいろありますよ。(ここでは1000円台~2000円以下のワインが中心です。★★★は、とてもお薦めのワイン)
◆EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めているので、安心できます。詳しくは目次の最後の「ワインの亜硫酸塩について」の項を、どうぞ。
1.ハウメ・セラ カヴァ オーガニック ブリュット(スペイン、白のスパークリングワイン)
Jaume Serra Cava Organic Brut
(ワイナリー:ハウメ・セラ社)
カヴァ/カバ(Cava)とは、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンと同じ伝統的製法で造られる、スペイン産のスパークリングワインのこと。手頃な値段で、家飲みのデイリー・スパークリングワインにぴったりです。(カヴァは、カタルーニャ語で「セラー」の意味。ワインを熟成させる洞窟(Cave)からつけられた名前です)
このハウメ・セラ カヴァ オーガニック ブリュットは、バルセロナのハウメ・セラ社製造。
ほのかな林檎と柑橘系のレモンのような香りがして、やはりカヴァらしく酸味がやや強めで、辛口ですが、キンキンに冷やして飲むと飲みやすくておいしいです。微かにする青りんごというか青っぽい香りが、カヴァらしいスパークリング。
オーガニックは最近始めたのか珍しいですが、オーガニックではない「ナチュレ」というのもポピュラーです。
また、ハウス・セラの「アルテラティーノ カヴァ ブリュット NV 750ML」も、ニューヨークタイムズ誌でシャンパン以外の全世界のスパークリングの中からNo.1に選ばれたことがあるもの。シャンパンに劣らない旨みやキレ、柔らかい泡で大変おいしいとされているブリュットです。
ちなみに、世界の三大スパークリングワインは、プロセッコ、シャンパン、カヴァで、カヴァは年間約2億4,000万本売られています。カヴァの約95%はカタルーニャ地方で生産され、「フレシネ」と「コドーニュ」がその地の2大生産者。カヴァのスパークリングワインは、シャンパンと違って、手ごろな値段でおいしいものが多いので世界中で愛飲されています。
2.パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック(スペイン・ラマンチャ地方、赤ワイン)
Parra Jimenez Cabernet Sauvignon Organic 2018
(パラ・ヒメネス・イルヒンパ社)
スペイン中部のラ・マンチャ地方にある、家族経営のパラ・ヒメネス・イルヒンパ社が生産するワイン。(5.のワインと同じです)
1993年からオーガニックの葡萄を作り始め、今は畑の全て(190ha)で有機葡萄を栽培。葡萄も、その醸造所もオーガニックの認定を受けています。今回飲んだのは2018のもの。
ミディアムボディの辛口で、最初はちょっと渋みが強い感じでしたが、時間が経つととてもまろやかで、重すぎず、良い口当たり!「スミレ・バラ・チェリー系の果実の香りとカベルネのスパイシーな風味」が感じられると言われます。
落ち着いて食事を楽しみたいとき、良いチーズと合わせたいときにぴったり。値段も1000円(税抜き)なので、日常的に飲むのにも手頃です。
ワイン管理のアプリ、vivino.comでは、2013年のものがスコア3.7でとても高評価。2018のはスコア3.2。まあまあですね。でも、口当たりが軽すぎない、普段使いワインにはおすすめです。
スペインワインの格付けとしては「D.O」。これは、格付けの上から3つめで、デノミナシオン・デ・オリヘンの略。定義は、「統制委員会が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種の葡萄を原料として、厳しい基準を満たして生産されたワイン」です。
◆ちなみにスペインで生産されるワインは6つのカテゴリーに分類されていて、格付けは上から、
VP:ヴィノ・デ・パゴ/Vino de Pago(=単一ブドウ畑限定の高級ワイン)
・地方ではなく、素晴らしい畑に与えられる名称
D.O.Ca:デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ/Denominacion de Origen Calificada、
・独特の香りを持つ素晴らしい葡萄を生産し高品質のワインを醸造する「リオハ地方」とカタルーニャの「プリオラート地方」で作られるワインに与えられる名称
・このワインには、ラベルに地方名「RIOJA」か「PRIORAT」が書かれている。
D.O:デノミナシオン・デ・オリヘン/Denominacion de Origen
・D.O.Ca以外の地域で作られる、品質のいいワインに与えられる名称
VCIG:ヴィノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ/Vino de Calidad con Indicacion Geografica、
以上が品質がとても高いとされるワイン。そして、いわゆる地ワインやテーブルワインのような感じなのが、
Vino de la Tierra/ヴィノ・デ・ラ・ティエラ
Vino de Mesa/ヴィノ・デ・メサ。
★スペインは、スパークリングワイン「カヴァ」でもとても有名ですね。
★スペインは葡萄畑の面積は世界1位、ワインの生産量は世界第3位(1位フランス、2位イタリア)のワイン大国です。
★2020年10月からサッポロビールが販売しているので今後あちこちで見かけるかもしれません。
3.フィンカ・ファビアン プティ・ヴェルド・テンプラニーリョ(スペイン、赤ワイン)
Finca Fabian Petit Verdot-Tempranillo
(ワイナリー:Finca Fabian、ぶどう品種:Tempranillo, Petit Verdot)
これは、イオンが直輸入しているオーガニックワイン。
イオン・グループにはスーパー等だけではなくリカー専門店もあり、お酒やワインにも力を入れています。ワインはバイヤーが、ワイナリーに直接足を運び厳選したものを販売。オーガニックワインも多くあります。
「フィンカ・ファビアン・プティ・ヴェルド・テンプラニーリョ」は、スペインのオーガニックワイン。イオン系列のオーガニックショップ「ビオセボン」麻布十番店で買いました。イオンのリカー専門オンラインショップ(Aeon de Wine)でも販売しています。
まず惹かれたのは、可愛いラベル!鳥は、オーガニックワインにはときどき見かけますね。オーガニックで育てている自然豊かなワイン畑には、たくさんの鳥や虫が来るのでそのイメージです。オーク樽で6ヶ月間熟成させているそうです。
味は、さっぱりして、微かにフルーティ。開けたすぐは、さっぱり爽やかでとても飲みやすい印象でした。うっかり1週間ほど置いてしまったら、渋みが強くなっていましたが、個人的にはこちらのほうが、チーズなどにも負けない存在感があると思いました。
vivino.comによると、このワインは、1993年のヴィンテージものが高評価(4.3)。その後2016年までは、3.5前後で良い評判ですが、現在は、充分な数の評価がないとのことで評価無し。日本だけのワイン評価サイトvinica.meには、「いたって普通のワイン」という口コミもありますが、1000円ちょっとで買えるオーガニックワインなので、とりあえずそれで充分かなと思います。
4.アルダレス グラシアーノ メルロー(オーガニック ティント)(スペイン、赤ワイン)
Ardales Graciano Merlot (Organic Tinto)
アルダレス グラシアーノ メルロー
◆正式名称では「オーガニック ティント」という言葉が入りますが、スペイン語でTinto(ティント)とは「染まったもの」という意味で、赤ワインを意味します。白ワインなら、Blanco(ブランコ)。
◆スペイン・ワインの格付:Vino de la Tierra de Castilla (I.G.P.) 。 「4.パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック(スペイン)」の項を参照
ラベルとキャップには、BIOワインの象徴、てんとう虫が描かれていて、つい目が行ってしまうワイン。
「BIOワイン」とは、欧州(EU)の場合、ビオな農法(ビオロジック農法、ビオディナミ農法などの自然有機農法)で育てられたぶどうを使ったワインで、今は「BIO」もオーガニックと考えられ、名乗る場合にはオーガニック認証が必要。もちろんワインのラベルには、BIOのマークと、オーガニック認証のマークがついています。
(ただ日本では、ビオワインについての定義が曖昧で、自主申告のビオワインと、オーガニックワインが混同されることがあります。EUのワインで、オーガニック認証も受けている「BIO」なら安心できます)
ワイナリーは、18人のワイン愛好家によって「品質、デザイン、尊敬」をモットーに、1999年に設立された「ボデガス アルスピデ」。スペインの、カスティーリャ・ラ・マンチャの南部、バルデペニャスの標高700メートルの地でブドウを有機栽培しています。葡萄と土地への情熱に溢れ、伝統と近代的な製造法をフレキシブルに取り入れ、ワイナリーの歴史は浅いですが、評判の高いワインを製造。少しずつ生産量も増やしています。
このワイナリーが目指しているワインは、単体として楽しむワインではなく、食事との組み合わせ(マリアージュ)を楽しむワイン。そのため、このアルダレス グラシアーノ メルローも、フルボディといわれる赤ワインながら、軽い飲み口なので「冷やして飲むと美味しい」という声もあります。
「アルダレス グラシアーノ メルロー」は、グラシアーノ70%、メルロー30%。グラシアーノという品種は、天候にかなり左右される品種ですが、色が濃く、しっかりした酸味のある、芳香に富んだワインが造れます。デリケートで希少な品種だったため、高級ワインに補助的にブレンドされ、華やかなアロマとエレガントな風味を加えるため使用されてきましたが、今は、グラシアーノ100%のワインを作るワイナリーもあります。
フルボディとありますが、そこまでしっかりした感じではなく軽めで、飲みやすかったです。メルローが入っているらしい華やかなアロマもあり、ほんの少しスモーキーな感じもします。説明では、「ブラックチェリーを想わせる豊かな果実味にほのかなスパイスのニュアンスがアクセント」ということですが、シンプルでもなく、複雑すぎる味わいでもなく、とても飲みやすいワインでした。
vivino.comでは最近の評価は、Not enough ratings yetで分かりませんが、2011年が3.0。アメリカだと$8ぐらいの、手頃なワインのようです(2022年現在)。日本のvinicaだと、評価は2.85と中間的なところ。さらっと飲めて美味しい、というような声が多いです。詳しい人の口コミには「メルローらしい香り。 まろやかだが、タンニンが力強く感じられ、その中に酸味が溶け込んでいる。・・・タンニンの余韻は長い」というのもありました。
このシリーズには、赤・白の他、サングリアの「アルダレス オーガニック サングリア」もあるとのこと。少し甘いようですが、自然派ワインのサングリアも飲んでみたいです。
5.パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック/樽熟成(スペイン・ラマンチャ地方、赤ワイン)★★★
Parra Jimenez・CABERNET SAUVIGNON・BARRICA ORGANIC
(パラ・ヒメネス・イルヒンパ社)
最初のひと口から、とっても飲みやすいワイン!繊細な感じもしますが、どっしりとして味わい深いです。日本のサクラアワード2022で金賞受賞というのも、うなずけます。
生産者は、スペインのほぼ中央部にあるラ・マンチャ地方のパラ・ヒメネス社。1993年からオーガニックぶどうを作り始めている家族経営のワイナリーで、今は全ての畑で有機栽培ぶどうを育成。ビオディナミ農法を採用したワイン造りを行い、サスティナブルな循環型農業の取り組みを推進しているワイナリーです。
ロマンチックなラベルで、素敵です!
さらに、ビーガン/ヴィーガン(完全採食主義者)にも対応。製造工程で動物由来の物質を一切使わないワイン(ビーガンワイン)を作っています。◆動物の脂や卵が含まれている「清澄剤」は全く不使用で、鉱物由来の粘土/ベントナイトや珪藻土(けいそうど)を使ってワインをろ過したり、時間をかけて濁りを沈殿させたりして透明感のあるワインにしています。
そして、このカベルネ・ソーヴィニョンのワインは、フレンチオーク古樽で3か月熟成させ、その後、瓶熟成させて、落ち着いた深みのある味わいに仕上げています。
完熟のシャルドネ種で作る辛口の白ワインもあり、そちらも、「甘い果実味とスパイスの香り、酸味のバランスが取れた」美味しいワインになっているようです。
サッポロビールが流通させているようで、「羊でつくったオーガニックワイン」という可愛いPOPがボトルについていました。
このパラ・ヒメネス社のワイン以外では、オーガニックワイン(有機栽培ぶどう使用)ではありませんが、「イエローテイル」(オーストラリア)のカルベネ・ソーヴィニヨン、シラーズ、「ドメーヌ・タリケ」(フランス・ガスコーニュ地方のワイナリー)のタリケ・クラシック、タリケ・ソーヴィニヨン、タリケ・ロゼなどが、ビーガン・ワインです。
[ヨーロッパのビーガンワインの認証ロゴ/ラベルについています]
European Vegetarian Unionによる認証です。
6.クネ アラーノ オーガニック テンプラニーリョ 2020
Cune Arano Organic Tempranillo
(ワイナリー:クネ CUNE/CVNE)
テンプラニーリョはスペインを代表するぶどう。スペインの高品質な赤ワインはテンプラニーリョで作られているものが多くあります。これは、テンプラニーリョ100%。
カベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールと比べると、テンプラニーリョは味や香りが控えめですが、繊細な風味があり、爽やかな飲み心地です。
またテンプラニーリョは、スペインの各地で作られており、テンプラニーリョは主にリオハで採れる品種ですが、地域で別名を持っていたりします。(例:ラ・マンチャではセンシベル、カタルーニャ州などではウル・デ・リェブレ、マドリッドではティンタ・デ・マドリッドなど)
クネ(C.V.N.E)は、リオハ(スペイン)の最大の生産者で、1879年創業の家族経営のワイナリー。「最高のワインを造ること」をモットーに、手摘みでぶどうを収穫し、伝統と最先端の技術・設備を融合させて自社ワイナリーで100%醸造しています。(名前のCuneは、創業時CVNEとするはずだったのがミスでCUNEとなり、以後そのまま使っています)
今は5代目の兄ビクトール・ウルティアと妹マリア・ウルティアが経営。マリアが、このワイナリーの代々続く一族の精神をこのワインで表現、家族の歴史の象徴である「アラーノ姉妹」の名をつけました。
手摘みのぶどうのお陰か、口当たりは優しくて、若々しい感じもしますが、どこかスパイシー。エレガントながら、しっかりめの酸味、そしてタンニンが感じられます。「テンプラニーリョのお手本的な香り」がする、「少し大人っぽいテンプラニーリョ」などの口コミがあります。
ミディアムボディとありますが、フランスワインのミディアムボディより軽いです。でもしっかりした味わいは、濃い目の味の料理にも、きっと負けません。(以外にも、焼き鳥とも合ったという口コミも見ました)
Vivica.meでは2.74、vivino.com では3.4(2020のものが一番評価が高い)です。
◎OKストア銀座店で、なんと800円ぐらいで買うことができました!(2024年2月)
7.ボデガス・フォンタナ メスタ テンプラニーニョ オーガニック2021
BodegasFontana Mesta Tempranillo Organic
(ワイナリー:ボデガス・フォンタナ )
テンプラニーリョ100%
メスタ・シリーズのワインは、マドリードにあるペニンシュラ・ヴィニクルトーレス社(Peninsula Vinicultores)というワインの生産およびマーケティングをする会社のフィロソフィーと提案の元に作られているワイン。
実際のワイナリーは、カスティーリャ・ラ・マンチャ州最北部のウクレスにある「ボデガス・フォンタナ」で、サステナブル(持続可能)なワイン造りを目指し、農薬を使わない有機栽培によるブドウ造りを行っています。比較的新しく、2006年にD.O.に認定されました。(D.O.については、上の2を参照)
メスタ(Mesta)とは、「スペイン中世の移動牧羊組合」(中世時代のカスティーリャ地方における羊飼いたちの管理団体)の名前。毎年移動する羊の群れが通り過ぎる場所であったことへの敬意と持続可能なブドウ栽培を目指すという意思を込めています。ラベル(エチケット)のたくさんの羊は、移動する放牧の羊を描いていたんですね。
メスタのワイン造りのディレクターを務めるのは、ニュージーランドなどのワイナリーでも活躍するサム・ハロップ氏。スペインワイン本来の良さを伝えるため、確かな品質でありながらリーズナブルな価格を実現しています。
「ボデガス・フォンタナ」のある地は、海抜が700-900mで、昼夜の温度差が約20℃。凝縮された果実味がありミネラル感いっぱいのエレガントな味わいのぶどうが採れます。
テンプラリーニョ100%のこのワインの味わいは、穏やかな酸味で、ミディアムボディと謳っているいる割にはさっぱり。でも、果実の甘みが感じられ軽くスパイシー。赤ワインが苦手な人も美味しく飲めるワインでしょう。
口コミでは、「余韻は短いが終盤は程よい収斂性あり。この価格でこの複雑味はコスパ良し」「渋みと酸味のバランスもよい 安いけど美味しい」「アルコール感が少し気になるが3桁円台ワインでは大当たり」「香りは悪くはないが薄い。物足りない」などの声があります。
ワイン評価のHP、vinica.me では、2,77、vivino.comでは、3.5(2020年、2021年)。
ただ裏ラベルを見ると「アカシア(安定剤)入り」の文字!EUのオーガニック認証は「(ぶどうの)栽培がオーガニック基準を満たしていれば、醸造段階では何を加えていてもオーガニック・ワインなんですね!」という口コミも発見。調べてみると、EUのオーガニック認証の規則では、有機原料に限ってアカシアガム(=アラビアガム)の使用が認められているようです。「変色防止」「沈殿物防止」のための添加物で、日本でも認められているもの。ガムシロップやアイスクリーム、コーラなどにも利用されるようですが(少し甘いらしい)、安定剤の入っていないオーガニック・ワインもたくさんあるので、ちょっと考えてしまいます。
税込み1000円以下で美味しめの、大変コスパの良いオーガニック・ワインに、そこまで求めるのは無理なのかもしれませんが・・・。
キリンの流通力と安さのためか、ドラッグストアやセブンイレブン、OKストア、イオン系の店舗、ロピアなど、いろいろな店舗で買えるようです。値段は1000円以下で、700円前後のところも。本当にコスパの良いワインではあります。
◆ワインの亜硫酸塩について
ワインには、酸化防止や殺菌効果、保存のためなどに亜硫酸塩(SO2)が添加されています。亜硫酸塩は、ワインが創られ始めた古代ローマ時代から、樽の消毒などに使われていました。葡萄が発酵する過程でも少量、自然に発生するもので、ワインの味とも深く結びついています。
ただこれが、肝臓の働きを鈍化させたり、糖とアルコールの分解を遅くすると言われ、ワインを飲んだ後の頭痛の原因になっている場合もあります。さらに喘息の人だと、少量の摂取で有害反応を起こすことも稀にあると言われています。
ワインの生産者は現在では、いかに亜硫酸塩の量を減らして美味しいワインを作るかに切磋琢磨していますが、安いワインを大量生産しているメーカーには、亜硫酸塩の量など全く気にしていないところもあります。
そこで、美味しくて、少しでも体に害のないワインを飲みたいので、今は選ぶなら、明確な基準のあるEUのオーガニック認証を受けたワインにしています。EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めています。(赤ワインは使用上限が1リットルにつき100mg、白ワイン・ロゼワインは1リットルにつき150mg。白ワインとロゼワインでは残糖が1リットルにつき2g以上の場合、上限を1リットルにつき30ml引き上げられます)