野菜は、素材にもよりますが『蒸す』という調理法が、素材の味も残り一番美味しく食べられます。でもセイロで蒸すと時間がかかるので、「無水調理」のできる鍋がとても重宝です。

無水調理とは、野菜を洗ったら水気を切らずに密閉できるお鍋に入れて、野菜の持つ水分だけで蒸すことです。火はごく弱火。焦げるのがコワいなら約50ccぐらいのお水を入れます。茹でるお湯を沸かす必要がないので、調理時間も短縮されます。

例えばこの方法でほうれん草を無水調理する(水なしでゆでる)と、ほうれん草自体の甘味がとても感じられるように仕上がります。栄養価も、水に溶けやすいビタミンCの残存率が、お湯で茹でたときより1.5倍ぐらい多いという結果がでています。野菜のおいしさと栄養成分の両方にとっていいのが、無水調理です。

葉物野菜以外でも、例えばじゃがいもなら、鍋に底から1㎝ぐらい水を入れ蓋をして「蒸すようにゆでる」と栄養も失わず、とてもおいしく加熱できます。バターをつけるだけで、ごちそう!有機栽培の野菜だったら、安心して皮付きのまま食べられますね。

無農薬や有機栽培のおいしい野菜を手に入れたら、こんなおいしい調理方法で温野菜サラダやごまあえなど、いろいろなメニューを作ってみましょう。きっと、おいしさにびっくりしますよ。

無水調理用のお鍋は、密閉性の高い蓋のあるお鍋です。野菜を無水でゆでるだけでなく、『無水カレー』『無水シチュー』『肉じゃが』などいろいろ、野菜の味が濃くて、とてもおいしいものができます。

ここでは、人気あるおすすめのお鍋、7ブランドをご紹介!
まずホーロー鍋の「バーミキュラ」「ルクルーゼ」「ストウブ」、次にステンレス製の「ジオプロダクト」、ステンレスとアルミの多層構造「ビタクラフト」、アルミニウムの「無水鍋」、そして価格が格安の「アイリスオーヤマ 無加水鍋」の7つです。お好みに合わせて選んでください。

長く使えるお鍋で、愛着がわきます。もちろん、無水調理だけでなく、普通にいろいろな料理に使えます

お鍋のサイズ(直径)と選び方
14cm~16cmぐらいは、1人暮らしに最適サイズ
22cmぐらいは、カレーやシチューなどを約4人分作れるサイズ
24cm以上は、大人数分の調理や作り置きをたくさん作るのに便利

無水料理のための、おすすめ鍋

1.バーミキュラの「オーブンポットラウンド」(ホーロー鍋)

「世界一、素材本来の味を引き出す鍋」を目指して開発された愛知ドビー(日本)のホーロー鍋、バーミキュラ。この鍋ひとつで、無水調理はもちろん、お米を焚いたり、ローストしたり、スチーム料理が可能です。

蓋が重く精密に仕上げられてて構造にも工夫があるので、他の無水調理鍋に比べて、食材の栄養損失が若干少ないことが報告されているのも、うれしい鍋。リブ底(スキレット鍋のような底)、3層ホーローコーティング、独特の構造(テーパーエアタイト)で、食材への熱伝導がとても理想的になっています。

またバーミキュラは、カドミウムを含む顔料を使いません。そのため鍋のラインアップは、パステル調のやさしい色だけです。

そして0.01㎜の精度にこだわって作られるのが、バーミキュラ。一生モノの鍋を買うなら、絶対リストに入れたい鍋です。「一生サポート」もあります。

ただし1つデメリットが!
重さが他のホーロー鍋より重いのです。4人分ぐらいの料理が作れる直径22㎝で比べると、バーミキュラ4.2kg >ストウブ 3.98kg >ル・クルーゼ 3.7kg。

中に具材を入れることを考えると、5kg越えに!でもそんなに動かすシーンはないので、特に腕力がないとか、高齢ということでなければ、きっと大丈夫。私の友人でも使っている人は多いです。

もし、重くて大変そう!と思ったら、18㎝のバーミキュラ(1~2人用)だと2.6kgになります。

下に水蒸気の様子を比較したレポートがありますが、このレポートでは、一番優秀だったのはバーミキュラでした。
>> 無水調理鍋で加熱実験(3ページ目)

直火・IH・オーブンで使えます。

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カドミウミの化合物「硫化カドミウム」について

*カドミウムの化合物「硫化カドミウム」は、とても優れた性質(耐熱性・耐久性)があるため、濃い色のホーロー鍋の顔料に使われています(カドミウムイエロー、カドミウムオレンジ、カドミウムレッド、カドミウムグリーン)。そのため、鍋が損傷するとカドミウムが溶けだすと一部で言われています。カドミウムは、発がん性があることがWHOで認められていますが、硫化カドミウムについては、まだ確かなことが分かっていません。でも、ホーロー鍋販売業者には、黄色・橙色・赤色のものを販売しないところもあります。

2.きれいな色が豊富で人気の、「ル・クルーゼ」

鋳物ホーロー鍋でとても有名なフランスの「ル・クルーゼ」。1925年に鋳物エナメル専門の会社が創設した会社で、エナメルコーティング技術はピカイチ。そのため、きれいな色がたくさん揃っているのも人気の理由です。

蓋(ふた)が計算されたドーム型で、溝が3つあり、熱が急激に高くなったときの吹きこぼれを防止、蒸気をコントロールするなどの役割をしています。蓋の周囲の溝は浅目で、鍋本体に乗せるような感じ。

日本に輸入されているものは、内側が白やクリーム色のものが多くなっています。カレーだと多少色がつくこともありますが、漂白剤できれいになります。(ホーロー鍋はどれもそうですが、金物のタワシや磨き粉等は使用できません)

サイズは、直径10㎝というミニココット(オーブンで一人分のグラタンや焼きカレー、ガスで一人分の目玉焼きやオムレツ、またプリンなどのスイーツが作れる)から揃っています。サイズ・鍋の形・色のバリエーションは、ピカイチです!

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3.プロ好みの、「ストウブ」

最初は業務用の鍋を作っていて、今はル・クルーゼに並ぶ人気の、フランスのメーカー「ストウブ」。重厚でプロ受けするデザインになっています。

内側が黒くザラッとしていて、油が馴染みやすいのも特徴。蓋の内側には、小さな突起(ピコ)が全面にあります。このお蔭で、発生した水蒸気が水滴となって食材に垂直に落ち、水分が充分活用されて均一な調理ができます。

蓋の周囲の溝は深く、しっかり本体に蓋をする感じです。鋳鉄なので、もちろん熱伝導率が高く、保温性にも優れているストウブ。直火・オーブン・IHなどさまざまな熱源に対応可能です。

ル・クルーゼ同様、サイズは、直径10㎝というミニココット(オーブンで一人分のグラタンや焼きカレー、ガスで一人分の目玉焼きやオムレツ、またプリンなどのスイーツが作れる)から揃っています。色は、ルクルーゼより渋めの色。

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4.料理研究家のアドバイスから生まれた、「ジオプロダクト」(GEO)の鍋

ジオプロダクト(両手鍋)は、料理研究家・服部幸應さんのアドバイスで生まれた宮崎製作所(新潟・燕三条)のステンレス鍋です。

熱伝導性に優れたアルミニウムをステンレスでサンドイッチしてある全面7層構造のお鍋。

ステンレスは熱伝導性が低く、なかなか加熱しないのですが、一度温まると冷めにくい性質があります。そこで、熱伝導性に優れたアルミニウムを間に挟んで、加熱しやすいように工夫してあるお鍋が多くあり、ジオプロダクトもそうですが、底面だけではなく、全面が多層構造。

おかげでお鍋全体にむらなく熱が伝わって、小さい火でもより速く調理できます。また保温効果にも大変優れています。

さらに、ステンレスなので精度の高い加工がしやすく、本体と蓋がぴったりと密着するようになっていて、この「ウォーターシール効果」により、食材の水分だけで調理する無水調理もできます。

無水調理以外にも、油を抑えた調理や、保温性の良さを利用した余熱での調理もできて、ヘルシーな調理に大活躍!全てステンレスなので、オーブンに入れることも可能。

そして、底の丸みは、食材をすくいだしやすく、掃除もしやすいカーブ。片手鍋にも取っ手の反対側に小さなハンドルがついているなど、使いやすさがとても考えられています。

ステンレス鍋は、万が一焦げても、磨けばキレイになります。ホーロー鍋とは違って落としてヒビが入ることもありません。ジオプロダクトは、耐久性にも自信があり、なんと15年保証がついています!

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5.アメリカの健康調理のための鍋、「ビタクラフト」

創立は1939年。「家族の健康は家庭料理で守っていく」という、アメリカ建国以来の精神を実現するために、無水・無油、低温、定圧調理を軸とした「健康調理」ができるようなお鍋を作り続けています。

お鍋の全面にステンレスとアルミの層を何層にも重ねてある『全面多層構造』の鍋。5層~11層まであります。

ステンレスの特性は、熱しにくいけれど冷めにくいこと、アルミニウムは、熱しやすく冷めやすいこと。これをうまく組み合わせて、保温性にすぐれ、余熱調理もできる鍋になっています。

また、食材を入れて火にかけると、水蒸気の膜が鍋と蓋の合わさっている部分を密着させるベイパーシール効果により、内部を調理に最も適した状態にして、無水調理を可能にしています。

もちろんお肉などの場合は、食材の油だけで調理できる「無油調理」ができます。

IHなどでも使えるマルチ熱源対応、弱火で素早く調理できる、フチに汚れがたまりにくく洗いやすい、ノブと取っては取り外して洗える、など、まさに考え抜かれたお鍋です。

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6.永く愛される、温かみある形の「無水鍋(R)」

『無水鍋』は、1953年に広島で作られた鍋。厚手(4mm)のアルミニウム一体成形鍋で、とても軽くて使いやすく、耐久性にも優れています。

ほうれん草だったら、全くの無水で大丈夫。「中火で30秒加熱し、蓋をしたまま1分ほど蒸らすだけ」で茹でられます。お湯を沸かす時間がいらないので、本当に2分弱で出来上がり。

またお米を炊くにも最適。この『無水鍋』は、お米を炊くためのお釜「羽釜」の形を参考に作られていて、本当にお釜で炊いたような炊きあがりに近くなります。

分厚い蓋がついているのですが、この蓋も調理に使えるという優れもの!フライパン代わりに使えば、厚みがあるので「強火でも遠火」という状態になり、焼き上がりもきれいです。

一体成形鍋なので、とても丈夫なのも安心。たとえ毎日使っても、多少雑に使っても、ビクともしません。だから親子3代で使っているという話も聞きます。多少焦げても、クレンザーで磨けばピカピカになります。

ただひとつだけ使い方で注意したいのは、よく鍋を温めてから食材を入れないとお鍋にくっついて焦げ付いたりすることががあります。

今までの愛らしい形そのままの「King無水鍋」シリーズと、モダンな形の「HAL無水鍋」シリーズがあります。「HAL」は、IH調理器にも対応しています。

お料理研究家の有元葉子さんの本「有元葉子の無水鍋料理」というのもあるので、参考になりますよ。一人暮らしを始めたら、プレゼントにもしてあげたい、優れもののお鍋です。

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7.価格が魅力!アイリスオーヤマの「無加水鍋」

良い商品を安い価格で作っているメーカー「アイリスオーヤマ」にも、無水調理ができる「無加水鍋」があります。

アルミニウム合金製で、軽くて使いやすいのが特徴。アルミニウムダイキャストと厚底設計で、熱に強く変形しにくく、内側はセラミック塗装加工の採用で、傷つきにくくなっています。

蓋をすると、蒸気が鍋と蓋の間に膜を作り蒸気を閉じ込めるので、無水調理が可能。蓋の裏側のたくさんの突起が効率良く蒸気を循環させます。

遠赤外線を放出することで食材の芯まで火を通します。お手入れもラクです。ご飯もふっくらと炊き上げます。IH対応もしています。

蓋の取っ手が「蒸気切り替えレバー」になっていて、「蒸気口」の開閉も可能。無水調理では普通、閉じておきます。が、無水調理初心者は、つい火が強すぎたりします。そこで、ふたの蒸気口を最初開けておき、蒸気が出てきたら閉じて火も弱火にすると、焦げ付いたりすることがありません。

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