healthygut1腸内には善玉菌・悪玉菌がいますが、それらのバランスが良く腸内環境が整っていれば、腸は快適で便秘なども起こしません。

腸は健康や体にとって、大変大事な内臓。ちょっと腸の調子がおかしいなと思ったら、生活や食べ物を見直してみましょう。(※異常を感じる時は、必ず医師に診てもらいましょう。)

1.腸の状態がヘルシーでないときの主なサイン

healthygut2◆ガスが溜まる、膨満感、便秘、下痢、胸焼けなど胃腸の不調

◆砂糖などを含む甘い食べ物を、いつも欲しくなる
砂糖を多く含む食べ物や加工食品の多い食事をしていると、腸内の善玉菌の量が減り、腸内細菌のバランスが崩れます。そうなると、さらに砂糖を欲しがるようになります。
(※特に最近、「高果糖コーンシロップ」が日本でも多く摂取されています。これはジュースやコーラなどの清涼飲料や菓子類等、甘味の強い加工食品の食品添加物で「果糖ブドウ糖液糖」などと表示されています。摂り過ぎると、腸内の炎症を起こしたり糖尿病を引き起こしたりします)

◆寝つきが悪い、または、いつもとても疲れた感じがする

◆急に湿疹が増えたなど、肌の不調がある

便で確認できます!食物繊維の不足
次のような便なら、食物繊維は足りています。
・色が黄色
・バナナ2本分ぐらいの量
・ほど良い軟らかさ
・水洗トイレの水に浮く
目安にしましょう!

2.腸の調子が悪いと思ったら、するべきこと6つ

ストレスを減らす工夫をする
慢性的なひどいストレスにさらされていると、体調が崩れ、腸も不調になります。ウォーキングやヨガなど手軽な運動を続ける、マッサージを受ける、カフェインの摂取量を減らす、気の置けない人と楽しい時間を過ごす、好きなことをするなど、ストレスのない時間を持つ工夫をしましょう。

毎日7,8時間の睡眠をとる
睡眠時間の不足は、腸だけでなく体に深刻な影響を及ぼします。7~8時間の睡眠をとるようにしてみましょう。

水分をしっかり摂る
水をたくさん飲むことは、腸の粘膜や腸内の善玉菌のバランスに良い影響を与えます。

食事は、ゆっくり、しっかり噛んで食べる
胃腸の不快感を減らすために、食事はよく噛んで、ゆっくりと食べましょう。胃腸の負担も減り、栄養の消化吸収を促進できます。

プロバイオティクスと、プレバイオティクスの食品を摂る
プロバイオティクスとは、「腸内フローラのバランスを改善することによって宿主の健康に有益に働く生きた微生物」のこと。つまり腸内環境を良くする微生物のことで、生きた菌(乳酸菌・ビフィズス菌など)が含まれるヨーグルトなどの発酵乳、納豆などが含まれます。

プレバイオティクスとは、有用な腸内細菌の餌となる食品成分のこと。プロバイオティクスに含まれる微生物の増殖を助け、腸内環境を調えます。オリゴ糖や、食物繊維などを含む食品で、野菜や果物、豆類、きのこ類などが挙げられます。

※オリゴ糖は、大豆などの豆類、ごぼう、アスパラガス、玉ねぎ、ともうろこし、バナナなどに多く含まれます。急に多く摂取すると下痢などを起こすので摂取量に注意が必要です。

食事を見直す
毎日の食事に、加工食品や、糖分・脂肪分の高い食品が多く含まれていないか見直しましょう。加工食品、高脂肪食品、精製糖を多く含む食品を避けることが大事です。

そして、植物性の食べ物や、脂肪の少ないタンパク質を多く摂るようにしましょう。また何よりも食物繊維の豊富な食事が、腸内フローラ(腸内細菌叢)の健康に大きく貢献します。

3.腸にいい食べ物4種類

食物繊維の多い食品
豆類、エンドウ豆、オート麦、バナナ、ベリー類、アスパラガス、ネギなどの高繊維食品は、数多くの研究で腸の健康に良い影響を与えていることが分かっています。

ニンニクとタマネギ
ニンニクとタマネギは、抗がん作用や免疫系強化の効果があると研究で分かっていますが、これは腸の主要な機能の一部と密接に関係しているからです。

発酵食品
味噌、ヨーグルト、納豆、キムチ、ザワークラウト、ケフィアなどの発酵食品は、プロバイオティクス(腸内環境を良くする微生物)食品です。

コラーゲンが豊富な食品
「ボーンブロス」やサーモンなどのコラーゲンを多く含む食品は、全身および腸の健康にとても良いと考えられています。ボーンブロスに含まれるゼラチンには、抗炎症作用、免疫の調整、細胞を保護する作用などがあり、リーキーガット(腸漏れ=腸粘膜が弱り、本来吸収されないはずの毒素などが吸収されたり、タンパク質などが吸収されにくくなること)を改善させる効果が期待できます。

「ボーンブロス」とは、鶏がらスープのように、牛・豚・鳥(あるいは魚)の骨からとったスープ。じっくり煮て、骨からたんぱく質などの成分を煮出したもの長時間煮込む(レシピにより2時間~48時間)。

(参考)ボーンブロスについては下記が詳しいです
   >> https://wellmethod.jp/bone-broth/#1
(参考)簡単なボーンブロスの作り方
   >> https://www.orangepage.net/recipes/detail_302295

コラーゲンを摂るには、ゼラチンでも代用できます。スープやご飯に小さじ1ほどを入れるだけ!
(参考)コラーゲン100%活用術(NHKためしてガッテン)
>> https://www9.nhk.or.jp/gatten/articles/20170301/index.html

4.食物繊維の多い食材/食べ物と、含まれる量

食物繊維には、水溶性と不水溶性があり、両方を合わせて摂ることが大事です。食物繊維の摂取量は、18~69歳で、1日あたり男性20g以上、女性18g以上が目標とされています。

水溶性食物繊維は、水に溶けてゲル状になり、便を柔らかくして排泄を促したり、栄養素(特に糖質)の吸収を緩やかにします。腸内で「善玉菌」のエサになり善玉菌を増やす効果も期待できます。

不溶性食物繊維は、水に溶けないので、水分を吸収し膨らんで腸管を刺激。大腸のぜん動運動を促して排便を促進します。便のカサを増やし、排泄を容易にする効果も期待できます。

◎水溶性食物繊維を多く含む食材
キャベツ、レタス、ほうれん草、たけのこ、エリンギ、大豆など

◎不水溶性食物繊維を多く含む食材
わかめ、ひじき、ラッキョウ、大麦など
(※ひじきはヒ素が含まれるので食べ過ぎに注意しましょう)

◎水溶性と不水溶性の両方の食物繊維を多く含む食材
ごぼう、人参、じゃがいも、キウイ、アボカド、プルーン等ドライフルーツ、納豆

◆食物繊維の多い食べ物・食材の含有量
【主食】
・そば(ゆでたもの)1食(180g)…3.6g
・スパゲティ(乾麺)1食(100g)…2.7g
・玄米ご飯 1膳分(150g) …2.1g

【豆類】
・おから50g(1/2カップ) …5.8g
・大豆(ゆでたもの)50g …3.5g
・いんげん豆(乾)1食(25g)…4.8g
・えんどう豆(乾)1食(25g) …4.4g
・レンズ豆/レンティル(乾)1食(30g)…3.1g

【野菜】
・モロヘイヤ 60g …3.5g
・ごぼう60g(約1/4本)…2.9g
・ブロッコリー60g(約1/4個)…2.6g
・菜の花50g(1/2束) …2.1g
・オクラ40g(5本) …2.0g

【キノコ類】
・エリンギ40g(1本)…1.7g
・えのきだけ40g(1/2束)…1.6g
・本しめじ1パック(100g)…3.3g
・なめこ1パック(100g)…3.3g

【その他】
・ひじき(乾燥)5g(大さじ1) …2.2g
・わかめ(乾)1g  …0.3g
・納豆1パック(50g) …3.0g
・木綿豆腐1丁(200~300g)…0.8~1.2g

【ナッツ】
・アーモンド 10粒(約10g) …1g
※ナッツの食べすぎは、かえって便秘になり腸に良くないと言われます。アーモンドは1日23粒までを目安にしましょう。(参考:くるみは1日10粒、ピスタチオは1日40粒までが目安です)

【フルーツ】
・アボカド 110g(1/2個) …6g
・りんご 300g(1個) …4.5g
・なし 300g(1個 )…2.7g
・キウイフルーツ100g(1個)…1.4~2.6g

【ドライフルーツ】
・アプリコット(あんず)30g(約3個)…2.9g
・ブルーベリー 17g(約15~20粒)…3.0g
・イチジク 30g(大約3つ、小約7つ)…3.2g
・干し柿 30g(約1つ) …4.2g
・プルーン 30g(約4つ)…2.2g
・なつめ 20g(約2つ) …2.5g
・レーズン 20g(約15個) …0.8g

※ドライフルーツは、ミネラル・ビタミンなども豊富でおやつにおすすめですが、糖分(糖質)も多いので食べすぎに注意しましょう。(上のそれぞれのドライフルーツの量で糖質は約15~20gあります。ただしブルーベリー17gは、糖質約8gです。参考:ご飯お茶碗1杯/150gは、糖質約57gです)

5.いつもの食事で食物繊維を多く食べる方法と工夫

◆白米のご飯に、大麦を混ぜる。白米:大麦は4:1が美味しい。
◆白米ご飯を玄米ご飯に変える。

◆パスタは、全粒粉のものに変える
◆パスタに野菜(キノコ類や葉物類)を加える

◆外食では野菜の副菜をつける
◆唐揚げなどにはレタス類をつける
◆野菜は火を通すと多く食べられるので加熱する
◆根菜料理(ごぼう、人参など)を増やす

◆納豆を食べる
◆食後のデザートに、キウイフルーツやアボカド、りんご、なし等を食べる