どんな塩を調理に使っていますか?
私は「ゲランド」というフランスの塩をメインに、「伯方の塩や」四国の「藻塩」、あとは友人からもらったアメリカの「コーシャーソルト」やイギリスの「マルドン」など、結構いろいろなものを適当に使っています。塩がおいしいと、料理もとてもおいしくなります

でも!プラスチックが細かく崩壊した「マイクロプラスチック(プラスチック粒子)」が海や空気中に増えていることが大きな問題になっていますが、塩(食塩)にも含まれているんだそうです!

環境保護団体「グリーンピース東アジア」と韓国の研究者グループとによる合同研究(2018年)で、「世界の食塩の9割にマイクロプラスチックが含まれている」という驚きの結果が報告されました。調査対象の食塩39品目中で、なんと、36品目からマイクロプラスチックが検出されたそうです。

海中のマイクロプラスチックが問題なので、海の塩は当然ですが、湖の塩や、山の塩(岩塩)にも含まれているそうで、びっくり!

マイクロプラスチックとは大きさの定義が研究者によって違っていたりするのですが、5mmあるいは1mmより小さいプラスチック粒子のこと。電子顕微鏡で見ないと分からないぐらいのものもたくさんあります。これなら塩に混じっていても分かりませんよね。

私が普段使っている海の塩は、きっとマイクロプラスチックが検出されたんだろうなあと思いつつ、これから何を使うべきか、検出されなかった3品目は何だったのかをグリンピースの調査結果を探して見てみたのですが、その3つの塩とは、

▼台湾(精製海塩)
▼中国本土(精製岩塩)
▼フランス(天日干しの未精製海塩)

フランスで有名ブランドと言えば、カマルグ、ゲランドでしょうか。でもカマルグは海の塩ではないので、多分「フランスの天日干しの未精製海塩」とは、ゲランドのこと!?良かったです!(でも2018年の調査なので、もしかしたら今は・・・)

とりあえず気を取り直して、しばらくは安心してゲランドの塩を使おうと思います。ゲランドの塩にはいろいろ種類がありますが、一番使いやすいのは、「ゲランドの塩 セル ファン(細粒・海塩) 」。通販でも買えますよ。

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◎ちなみに、この調査には日本の塩は入っていませんでした。(日本で一番多く見かける塩は、海水から電気的に塩化ナトリウムを取り出して作っているものなので、塩として認められなかったのでしょうか・・・)

ところで、マイクロプラスチック汚染のホットスポット(汚染度の高いところ)はアジアで、アジア地域で生産される塩にマイクロプラスチックが多く見つかったそうです。特にケタ外れに含有量が多かったのが、インドネシアの塩。1kgあたり13,000ユニットの含有量という結果です。

◎下記のグリーンピースのHPに、調査結果が載っています。
> https://www.greenpeace.org/japan/sustainable/story/2018/10/18/1541/

台湾の塩は4種類調べていますが、まったく入っていないものから、やや入っているものまであります。これは、作っている地域が違うのでしょうか。調査によると、マイクロプラスチックによる塩の汚染レベルは、海や川の汚染レベルと比例するということです。インドネシアは、「世界で二番目にプラスチックごみを海に流出している地域だと言われています」ということです。

イギリスの塩も、136とレベルは低いですが、少しマイクロプラスチックが混じっているようです。アメリカ・ブラジルの塩のほうが、32、24で、それよりも低いレベルです。

さて、「マイクロプラスチックを食べると、どうなるの?」なのですが、これがまだよく分かっていません。

消化されずに排泄されてしまうのでは?と思ってしまいたいところですが、実際はとても安心できません。プラスチックを作るときには「添加剤」が使われています。そしてプラスチックには物質を吸着する性質があり、海水の中にある環境ホルモンや化学物質(PCBなど)を吸着してしまうので、海の中のプラスチックは、汚染濃度がとても高くなっています。

環境ホルモンもPCB(ポリ塩化ビフェニル)も、発がん性があるといわれ、ホルモンをかく乱したり、催奇性(胎児に奇形を生じさせる可能性)があると言われている物質です。

これらが、マイクロプラスチックを食べることで恐らく体に取り入れられてしまうのですが、それがどのくらいの量になったら、どんなことになるのかは人体実験をするわけにもいかないので、今は分からない、ということなんですね。

そう、「ただちに危険はありません」ということです。でも体に負担になるものはなるべく食べたくないので、できるだけ避けたいですね。

塩だけでなく、海の魚や、プランクトンも当然マイクロプラスチックを食べているので、魚のワタ(内臓)などを食べると、一緒にマイクロプラスチックを食べてしまっているはず。「釣ったもの(魚)をさばいて胃腸を取り出して、アルカリに漬けて1週間もすると、中のプラスチックだけが残って浮いてくる」という話です。

気をつけながら魚や塩を食べるだけでなく、これからは、これ以上プラスチックで海を汚さないということが大事ですね。

今、世界中で少しずつですが、プラスチックを使わない運動が始まっています。(最初は、海の動物や陸の動物までプラスチックバッグ(レジ袋)で死亡するという事故が多くあるために動物愛護の意味合いで始まったのですが、今は、人類にもその災いが及んでいるということですね。また日本では、プラスチックゴミの処理能力が限界になりつつあるという問題もあります)

アメリカのニューヨーク州では、2019年4月にスーパーなどのレジ袋(ポリ袋=プラスチックバッグ)が法律で禁止されました。カリフォルニア州やハワイのいくつかの地域でも、また中国や、オーストラリア(ほぼ全土)でもすでに禁止です。日本は遅れていて、2020年にレジ袋の有料化が義務になります。

レジ袋やストローだけでなく、そろそろ使い捨て文化を見直すべき時なのかもしれません。多くの人がエコバッグを持ち歩くようになったし、きっと人は変化できるはず。まずは身の回りから見直していこうかなと思います。

◎下記の記事が、とても参考になります
「ナショナルジオグラフィック/研究室に行ってみた。東京農工大学 マイクロプラスチック汚染 高田秀重」
> https://natgeo.nikkeibp.co.jp/atcl/web/18/053000010/053000001/?P=1

◎次の記事も良ければ、どうぞ。
「AERA/マイクロプラスチック、日本の海は世界平均の27倍…人体に影響ないのか?」
> https://dot.asahi.com/wa/2019062100015.html?page=1