ワイン売り場に行くと迷うほどたくさんのワインがありますが、できるだけオーガニックワインを選んでいます。お手頃な価格で、美味しくて安心して飲めるものがいろいろありますよ。(ここでは1000円台~2000円以下のワインが中心です。★★★は、とてもお薦めのワイン)

◆EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めているので、安心できます。詳しくは目次の最後の「ワインの亜硫酸塩について」の項を、どうぞ。

1..75 カベルネ テッレ・デリ・オ-シ バイオ 2017(イタリア)

.75  Terre Degli Osci (IGT) Cabernet 2017
(ワイナリー:コッレ セレーノ)

イタリアのMolise地方(イタリア南部)にあるワイナリー「コッレ セレーノ」(Colle Sereno)のオーガニックワイン(バイオ=オーガニック)。

オーガニックワイン

そんなに日本には入ってきていないようで、たまたま池袋西武のザ・ガーデンで発見、買ってみました。(2020年5月)

アルコールは13.5%(2016ものだと13%みたいですが)、IGT(Indicazione Geografica Tipica/地域特性表示)のワイン(=その土地のぶどうが85%以上使われている)

「.75」が何を意味するのかは、調べたのですが不明でした。このワイナリーには、その名前で毎年ワインが作られています。ラベルもとてもかわいいものがありますが、日本には輸入されていないみたいですね。

フルーティですが、ボディはあまり感じない軽い飲み口。サラッと飲みたいときには、いいかもしれません。最初は酸味を強く感じましたが、飲んでいるうちにちょうど良くなってきました。透明感のあるルビー色です。

ワイン管理のアプリ、vivino.comでは、スコア3.2。まあまあかな?フルーティ、おいしい、コスパは良い、などの感想があります。2016年のものがビンテージのようで大変おいしいという声も。お料理はビーフやパスタ、ラムに合わせるといいそうです。

2.モンテプルチアーノ ダブルッツォ オーガニック 2018(イタリア)

Montepulciano d’abruzzo 2018
(メーカー:カンティーネ・ヴォルピ(CANTINE VOLPI))

ピエモンテ(イタリア)の生産者「カンティーネ・ヴォルピ」(CANTINE VOLPI)によるオーガニックワイン。

オーガニックワイン

最近はよく見かけますが、1000円ちょっとなので気軽に買えます。

メーカーの「ヴォルピ家」は、ピエモンテ州のトルトーナ地区でワイナリーを経営していますが、3代目のカルロ・ヴォルピ氏がイギリスのオーガニック専門商社「ボトル・グリーン社」と提携して、イタリア各地のブドウを使ったオーガニックワインの生産を始めました。

質のいいオーガニックぶどうを作る生産者が、なんと手摘みで収穫したぶどうを使い、現地の醸造所で厳格な管理の元ワインを造っています

このモンテプルチアーノ ダブルッツォ オーガニックという名前は、生産地区がアブルッツォで、ブドウの品種がモンテブルチアーノという意味です。

このメーカー、カンティーネ・ヴォルピによるオーガニックワインには、5~6種類あって、どのワインのラベルにも、右下のほうに赤いてんとう虫の絵が描いてあるのが特徴!これが可愛くて、最初、思わず買ってしまいました!

オーガニックワイン

自然体系を壊さないように農作物を栽培するオーガニック農法には、てんとう虫やカマキリを使って害虫を駆除する方法があるので、そんな意味合いがこのラベルのテントウムシに込められているのかなと思います。

裏のラベルには、「熟した果実味と柔らかな渋みが調和した味わい」と書いてありますが、本当にそんな感じで、軽いのですが、開けてから少し時間をおいておくと柔らかな渋みが感じられて、よりおいしくなります。

(ソムリエでも何でもない素人ながら、最近感じるのですが、ワインは開けてから少なくても1時間ぐらい置いておくとおいしくなるような気がします。高級ワインには当てはまらないかもしれませんが)

さらに、HPなどを見ると、「品種特有のアーモンドやチェリーのような香り、プラムや野イチゴの赤い果実の風味味と柔らかい渋みがバランスの良く広がる優しい味わい」とあります。アーモンド、チェリー、プラム、野イチゴなんて言われても・・・、それらの風味までは良くわからないのですが、とても優しい味わいです。

2017年にベルリンワイントロフィー2018金賞、2018年にベルリンワイントロフィー2019金賞を受賞しているようですが、2018年のものがとてもおいしいと、vivino.comにコメントがあります。

3.ハウメ・セラ カヴァ オーガニック ブリュット(スペイン)

Jaume Serra Cava Organic Brut
(ワイナリー:ハウメ・セラ社)

カヴァ(Cava)とは、フランス・シャンパーニュ地方のシャンパンと同じ伝統的製法で造られる、スペイン産のスパークリングワインのこと。手頃な値段で、家飲みのデイリー・スパークリングワインにぴったりです。(カヴァは、カタルーニャ語で「セラー」の意味。ワインを熟成させる洞窟(Cave)からつけられた名前です)

このハウメ・セラ カヴァ オーガニック ブリュットは、バルセロナのハウメ・セラ社製造。

オーガニック・カヴァ

ほのかな林檎と柑橘系のレモンのような香りがして、やはりカヴァらしく酸味がやや強めで、辛口ですが、キンキンに冷やして飲むと飲みやすくておいしいです。微かにする青りんごというか青っぽい香りが、カヴァらしいスパークリング。

オーガニック・カヴァ

オーガニックは最近始めたのか珍しいですが、オーガニックではない「ナチュレ」というのもポピュラーです。

また、ハウス・セラの「アルテラティーノ カヴァ ブリュット NV 750ML」も、ニューヨークタイムズ誌でシャンパン以外の全世界のスパークリングの中からNo.1に選ばれたことがあるもの。シャンパンに劣らない旨みやキレ、柔らかい泡で大変おいしいとされているブリュットです。

ちなみに、世界の三大スパークリングワインは、プロセッコ、シャンパン、カヴァで、カヴァは年間約2億4,000万本売られています。カヴァの約95%はカタルーニャ地方で生産され、「フレシネ」と「コドーニュ」がその地の2大生産者。カヴァのスパークリングワインは、シャンパンと違って、手ごろな値段でおいしいものが多いので世界中で愛飲されています。

4.パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック(スペイン)

Parra Jimenez Cabernet Sauvignon Organic 2018
(パラ・ヒメネス・イルヒンパ社)

スペイン中部のラ・マンチャ地方にある、家族経営のパラ・ヒメネス・イルヒンパ社が生産するワイン。

オーガニックワイン4

1993年からオーガニックの葡萄を作り始め、今は畑の全て(190ha)で有機葡萄を栽培。葡萄も、その醸造所もオーガニックの認定を受けています。今回飲んだのは2018のもの。

ミディアムボディの辛口で、最初はちょっと渋みが強い感じでしたが、時間が経つととてもまろやかで、重すぎず、良い口当たり!「スミレ・バラ・チェリー系の果実の香りとカベルネのスパイシーな風味」が感じられると言われます。

落ち着いて食事を楽しみたいとき、良いチーズと合わせたいときにぴったり。値段も1000円(税抜き)なので、日常的に飲むのにも手頃です。

オーガニックワイン

ワイン管理のアプリ、vivino.comでは、2013年のものがスコア3.7でとても高評価。2018のはスコア3.2。まあまあですね。でも、口当たりが軽すぎない、普段使いワインにはおすすめです。

スペインワインの格付けとしては「D.O」。これは、格付けの上から3つめで、デノミナシオン・デ・オリヘンの略。定義は、「統制委員会が設置された地域において、地域内で栽培された認可品種の葡萄を原料として、厳しい基準を満たして生産されたワイン」です。

◆ちなみにスペインで生産されるワインは6つのカテゴリーに分類されていて、格付けは上から、

VP:ヴィノ・デ・パゴ/Vino de Pago(=単一ブドウ畑限定の高級ワイン)
・地方ではなく、素晴らしい畑に与えられる名称
D.O.Ca:デノミナシオン・デ・オリヘン・カリフィカーダ/Denominacion de Origen Calificada、
・独特の香りを持つ素晴らしい葡萄を生産し高品質のワインを醸造する「リオハ地方」とカタルーニャの「プリオラート地方」で作られるワインに与えられる名称
・このワインには、ラベルに地方名「RIOJA」か「PRIORAT」が書かれている。
D.O:デノミナシオン・デ・オリヘン/Denominacion de Origen
・D.O.Ca以外の地域で作られる、品質のいいワインに与えられる名称
VCIG:ヴィノ・デ・カリダ・コン・インディカシオン・ヘオグラフィカ/Vino de Calidad con Indicacion Geografica、

以上が品質がとても高いとされるワイン。そして、いわゆる地ワインやテーブルワインのような感じなのが、
Vino de la Tierra/ヴィノ・デ・ラ・ティエラ
Vino de Mesa/ヴィノ・デ・メサ。

★スペインは、スパークリングワイン「カヴァ」でもとても有名ですね。
★スペインは葡萄畑の面積は世界1位、ワインの生産量は世界第3位(1位フランス、2位イタリア)のワイン大国です。
★2020年10月からサッポロビールが販売しているので今後あちこちで見かけるかもしれません。

5.コション・ヴォラン ルージュ 2019 (フランス/空飛ぶ豚) ★★★

Cochon Volant Rouge 2019 ★★★
(シャトー・ド・キャラギーユ)

これもラベルにつられて買ってしまいました!

オーガニックワイン

Cochon Volant(コション ヴォラン)は「空飛ぶ豚」という意味(cochon=豚)でラベルそのもの。南仏ラングドッグ地方のコルビエール地区にあるシャトー・ド・キャラギーユで造られています。

このシャトーは、12世紀から続く伝統あるところで、1983年からリオネル・フェーヴル氏がビオによる葡萄栽培に転換。エコセール(オーガニックの認証)も取得し、今はこの地域で最大のビオワイン・メーカーとして有名です。

味わいは、輸入元によると「充分な果実味を持ち、甘いタンニンと共に心地よい酸味がワインに立体感を与えている」と表現されていますが、強い赤という感じではなく、とても優しい味わいでバランスがとれた味です。辛口・フルボディとされていますが、オーガニックワインならではの、なめらかで優しい味を感じます。いわゆるフルボディが苦手な人でも、きっと充分大丈夫!

赤の他に、白やロゼもあるようですが、どれもバランスのいい優しい味のようです。vivino.comでは、2019の赤は3.5、白は3.6と良いスコアです。赤は2017だと3.7、白は2016だと3.8です。値段は2000円弱ほど。

オーガニックワイン

ラングドッグ地方の伝統料理と言えば、「カスレ」といういろいろな肉(鴨や豚、ソーセージなど)と豆の煮込み料理ですが、豚はこの地方ではとても身近なんでしょうか。ユニークなラベルの由来、知りたいです。

6.ナチュール・ド・テロワール シラー オーガニック2018(南フランス)

Nature de Terroir Syrah
(ワイナリー:ドメーヌ・コスト・ルース)

ドメーヌ・コスト・ルースは、南フランスで100年以上続くオーガニック・ワイナリー。今は、3代目のジャン・パスカル氏が受け継いでいます。

おいしいオーガニックワイン6

ぶどうの品種は、シラー。シラーは、コート・デュ・ローヌ地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、タンニンが豊富な力強くジューシーな味わいになります。香りは、「ブラックベリー、黒コショウ、ビターチョコレートなどインパクトのある香り」といわれます。

現在シラーは世界中で生産されている国際品種で、品種そのものの強い個性がありながら、育てられた産地の特色を色濃く反映したワインとなります。

このワインも、辛口・フルボディに分類されますが、温暖な地中海気候の南フランスで、有機栽培で丁寧に育てられたシラーを使って低温でじっくりと発酵しているからか、力強い感じがありながら重すぎるフルボディではなく、とても優しいまろやかな味わい。ちょっとフルーティで複雑な良い香りがします

日常使いでフルボディ風のワインが飲みたいなら、最適!とってもおすすめです。2017年に、ジルベールエガイヤール2018金賞を受賞しています。(ネットを見ていると、2016の評判はあまり芳しくないようですが、2018は美味しいと思います)

おいしいオーガニックワイン

余談ながら、オーストラリアでは、シラーはシラーズと呼ばれています。

7. ドメーヌ・ド・セラム メルロー 2018(フランス)

Domaine de Serame Merlot 2018

オーガニックワイン

これは、メルロー100%のオーガニックワイン。成城石井にあったので、思わず買ってしまいました。値段は1300円+税。メルローは、フランスのボルドー地方が原産の赤ワイン用ブドウ品種で、まろやかな甘いようなフルーティな味わいがあります。

メルローの香りは、プラム、ブルーベリー、チョコレートなどのような香りと表現されますが、そこまでは分からないのですが、何だか優雅です。

このドメーヌ・ド・セラム(2018)も、やっぱりまろやかで、最初やや甘すぎるかなと感じますが、時間が経つと程よい優しい味わいに。ワインが苦手な人でも飲めそうな、ややジュースのような味わいでした。

オーガニックワイン

vivino.comでは、2008がとても良いと書かれています。2018や2019のものは、それに比べるとちょっと評価が低くなっています。

生産者ワイナリーは、フランスのラングドッグ地方にある”Chateau de Serame”。歴史のあるワイナリーですが、2002年にボルドー・ワインの権威であるドニ・デュブルデュー博士がコンサルタントをして土壌改良などをし、高品質ワインを生産するようになり、2010年からぶどうの有機栽培に取り組み、2013年オーガニック認証を得ています。

8.ローガン・ワインズ ウィマーラ メルロー2017(オーストラリア) ★★★

Logan Wines, Weemala Merlot 2017 ★★★
(ワイナリー:ローガン・ワインズ)

とても柔らかくリッチな味わいと香りのメルロー100%ワインで、とってもおいしかったです。それでも価格は1000円台後半と、とってもコスパがよくて、大変おすすめ!

オーガニックワイン

ローガン・ワインズ(1997年創立)は、オーストラリアのニュー・サウス・ウェールズにあるワイナリー。薬剤師だったローガン氏はワインに魅せられ、醸造家サイモン・ギルバート氏のもとで修行した後、アデレード大学ローズワーシーカレッジで本格的に醸造学を学びました。

そして27歳の時、彼が理想とする土壌や気候のオレンジ地区・マジー地区(標高500-1000m)でぶどうを栽培し、ワインの生産を始めました。生態系を破壊しないサステナブルな有機農法のもと、ワイン造りが行われています

その素晴らしいテイストは、すぐに数々の賞を受賞。今や、オーストラリアのトレンドになっている「クール・クライメイト(涼しく爽やかな気候)」な土地で作られる現代ワインの代名詞にもなっているようです。

ローガン氏が理想とするワインは「北イタリアのワインのような引き締まった酸を持つワイン」で、このメルローワインも、とても優しく香り高いのにキリっとしていて、いつまでも飲んでいたくなる味わいです!

ちなみにウィマーラ(Weemala)とは、原住民アボリジニの言葉で「絶景」の意味。このウィマーラ・シリーズは、メルロー、ピノノワール、シラーズ/ヴィオニエ、リースリング、ピノ・グリなど何種類かありますが、どのラベルにも、ぶどう畑を訪れ「絶景」を楽しむ野鳥たちの絵が描かれています。

オーガニックワイン

メルローに描かれているのは、Flame Robin。日本名「ノドアカサンショクヒタキ」で、お腹から首にかけてオレンジ色の鳥です。

vivino.comの評価では、2018年が最も高く3.6。2017年のは3.5となっています。2019年も美味しいですが3.4。でもどれも一定のレベルで、おすすめです。

9.ヴィーニャプーラ ロッソ オーガニック 2017(イタリア)

Vignapura Rosso Organic
(生産者:Cinque Segni/チンクエセンニ)

ラベルが気になっていた、オーガニックのワイン。とうとう購入してみました!

オーガニックワインヴィーニャプーラ1

チンクエセンニは、イタリアが誇るワインとアートを組合せて、新しい魅力をワイン造りの伝統に加えたいと思う5人の仲間が2008年に始めた、イタリアのプーリア州とシチリア島の自社農園でワイン生産をしている会社だそうです。だからラベルにも凝っているんですね!

また、素晴らしい国際経験を持つ21人のワイン醸造学者チームとともに、世界87か国以上でワインの生産とマーケティングを行っているイタリア中南部のリーダーであるファンティーニ・グループ(Fantini Group)の会社となっています。

ラベルの四つ葉のクローバーは、極薄のセラミック製。世界の主要国で特許を取っているそうですが、このシリーズには、四つ葉だけでなく、月や、ハートのセラミックが付いたラベルもあります(でも日本の店頭ではなかなか見ません。イタリアにいったらお土産にするといいかも!)

オーガニックワインヴィーニャプーラ2

(写真下は横から見たクローバー。セラミックで厚みがあります)

オーガニックワインヴィーニャプーラ

(飲み終わったので、クローバーを外してみました。何かに使えるかな?)

オーガニックワインヴィーニャプーラ

ワインに使用している葡萄は、Primitivo(プリミティーヴォ、イタリア共和国の南部にあるプーリア州を中心に栽培されている赤ワイン用ぶどう品種)80%、ネグロアマーロ15% 、アレアティコ5%。

ワインの色は、紫色がかったルビー色でとても美しいです。味は、最初はとてもキリっとした赤ワインでコクよりも果実の酸味が感じられますが、時間が経つと少しまろやかになり香りを楽しめるようになりました。

四つ葉のクローバーは縁起がいいので、プレゼントにいいですね!vivino.com では、2017年物の評価が一番高く3.7。日本だけのアプリ、vinica.me ではちょっと低評価。日本人には合わないのかな?(でも温度管理とかいろいろあるので何とも言えませんが)主観ですが、自宅用だったら1000円ちょっとぐらいで買えるなら、買いかなと思います。

10.フィンカ・ファビアン プティ・ヴェルド・テンプラニーリョ(スペイン)

Finca Fabian Petit Verdot-Tempranillo
(ワイナリー:Finca Fabian、ぶどう品種:Tempranillo, Petit Verdot)

これは、イオンが直輸入しているオーガニックワイン

オーガニックワイン10-1

イオン・グループにはスーパー等だけではなくリカー専門店もあり、お酒やワインにも力を入れています。ワインはバイヤーが、ワイナリーに直接足を運び厳選したものを販売。オーガニックワインも多くあります。

「フィンカ・ファビアン・プティ・ヴェルド・テンプラニーリョ」は、スペインのオーガニックワイン。イオン系列のオーガニックショップ「ビオセボン」麻布十番店で買いました。イオンのリカー専門オンラインショップ(Aeon de Wine)でも販売しています。

まず惹かれたのは、可愛いラベル!鳥は、オーガニックワインにはときどき見かけますね。オーガニックで育てている自然豊かなワイン畑には、たくさんの鳥や虫が来るのでそのイメージです。オーク樽で6ヶ月間熟成させているそうです。

オーガニックワインリスト10-2

味は、さっぱりして、微かにフルーティ。開けたすぐは、さっぱり爽やかでとても飲みやすい印象でした。うっかり1週間ほど置いてしまったら、渋みが強くなっていましたが、個人的にはこちらのほうが、チーズなどにも負けない存在感があると思いました。

vivino.comによると、このワインは、1993年のヴィンテージものが高評価(4.3)。その後2016年までは、3.5前後で良い評判ですが、現在は、充分な数の評価がないとのことで評価無し。日本だけのワイン評価サイトvinica.meには、「いたって普通のワイン」という口コミもありますが、1000円ちょっとで買えるオーガニックワインなので、とりあえずそれで充分かなと思います。

11. ジェイコブス・クリーク オーガニック シラーズ・カベルネ(オーストラリア)

Jacob’s Creek Earth-Vine-Grape Organic Shiraz – Cabernet 2019
(ワイナリー:ジェイコブス・クリーク、ぶどう品種:シラーズ、カルベネ・ソービニヨン)

これも、カラフルなラベルが気になっていたワインです。

オーガニックワイン11

ジェイコブス・クリークは、オーストラリアで最大の生産量を誇るワイナリーで、ドイツ・バイエルン出身のヨハン・グランプ氏により1847年創業。2008年、世界ワインライター&ジャーナリスト協会による「世界ベストワイナリー100」で1位にランキングさました。

コスパの良い美味しいワインはオーストラリア国内でも人気がありますが、生産量の約8割は海外に輸出されています。厳選した葡萄で作った大変高品質なワインや、オーガニックワイン、スパークリングワインなども作っています。

「ジェイコブス・クリーク シラーズ カベルネ」、そして40回近く賞を受賞している「ジェイコブス・クリーク カベルネ・ソーヴィニョン」(カベルネ・ソーヴィニョン100%)は、ジェイコブス・クリークの代表的ワイン。

オーガニックワイン(シリーズ名は”EARTH-VINE-GRAPE”)は、オーストラリアで有機認証されたブドウだけを使用。無農薬の野菜から堆肥や土づくりを行い、放し飼いの羊たちが雑草を食べるという環境で育てられています。赤と白の2種類があり、赤がこのシラーズ・カベルネ。

ほどよいタンニンと酸味、力強い果実の風味で、少しスパイシーな味もします。甘さはあまり感じません。開けてすぐはやや渋みが強かったのですが、少し時間が経つとバランスよくなってきました。vivino.comの口コミにも、翌日のほうが美味しかったとか、3日目まで美味しく飲める使い勝手の良いワイン、などの声が少しあります。

オーガニックワイン11ラベル

シラー(オーストラリアやニューワールドではシラーズ)の二大産地は、フランス・ローヌ地方北部とオーストラリア。フランスが原産地で、スパイシーでエレガントな味わいの繊細なシラーですが、オーストラリアのシラーズは、滑らかなタンニンながらも強めの果実味で、力強いテイストです。シラー(シラーズ)は、ブレンド用の品種としても重要です。

(最近ラベルにシラーと書いてあるワインも多いですが、その場合は、「ワインのスタイルとして、フランス・ローヌ地方タイプのスパイシーでエレガントな味わいを志向していると考えられる」という人もいます。)

vivino.comの評価だと、2014年が3.6で最高評価。2019年ものは3.3でした。価格は1400円前後。フルーティでスパイシーで、ややしっかりめの味わいのオーガニックワイン(赤)を飲みたいときには、おすすめです。

12. オーガニック ネーロ ダーヴォラ ナターレ ヴェルガ(イタリア/シチリア)

Organic Nero D’avola Natale Verga
(ワイナリー:ナターレ ヴェルガ)

ラベルが可愛くて、思わずジャケ買いしてしまったワインのひとつ。値段も1000円台前半で、手頃です。

ワインリスト12

ボトルのイメージから、重め(濃い)のワインかと思いがちですが、まろやかでフレッシュな果実の味がして、飲みやすいワイン最初はやや酸味が強い気もしますが、でも甘さもありフレッシュな味わい。少し置いておくと酸味が弱くなり、断然飲みやすくなります。私は1日か2日置いたほうが好きでした。

「酸がしっかりしている。フレッシュな果実味のあるワイン」「雑味や引っ掛かりも特になく、飲みやすかったワイン」「甘め。ブラックベリー系。口中でふわっとアルコール感。」「全体的にマイルドなので軽やかな甘さが心地良い」などの口コミが見られます。

ワインリスト12-2

ぶとうの品種は、Nero d’Avola (ネロ・ダーヴォラ)という、シチリア島に土着の黒ぶどう。Nero d’Avolaとは、「アーヴォラの黒」という意味で、以前は価格が安かったため、軽いワインに色合い・ボディを加えるためのブレンド用ワインとして利用されてきました。でも近年、その素晴らしい価値が見直され、確立され、世界的に認められる品種となっています。

ワイナリーのナターレ ヴェルガは、1895年にエンリコ・ヴェルガにより創業された家族経営のワイナリー。ロンバルディア、ヴェネト、アブルッツォ、シチリアなどイタリアの北から南まで、様々な地域でぶどうを栽培し、近代化された設備・研究所を駆使して、高品質低価格のワインを実現。そのワインは世界中で評価されている、イタリアでも最大級規模のワイナリーです。

アメリカでは、このオーガニック ネーロ ダーヴォラ ナターレ ヴェルガは、9ドルぐらいで販売されているようで(2022年9月時点)、コスパが良くて、しかもオーガニックの美味しいワインという評価が多いです。vivino.comでの評価は、3.5と高め。日本のvinicaでは、2.88。

◎ちなみに、このワイナリー「ナターレ ヴェルガ」の「ナターレ・ヴェルガ モスカート スプマンテ」(スパークリング)は、日本の「サクラアワード 2022」でダイヤモンドトロフィーと、ダブルゴールドを受賞しています。

13.アルダレス グラシアーノ メルロー(オーガニック ティント)(スペイン)

Ardales Graciano Merlot (Organic Tinto)
アルダレス グラシアーノ メルロー

◆正式名称では「オーガニック ティント」という言葉が入りますが、スペイン語でTinto(ティント)とは「染まったもの」という意味で、赤ワインを意味します。白ワインなら、Blanco(ブランコ)。
◆スペイン・ワインの格付:Vino de la Tierra de Castilla (I.G.P.) 。 「4.パラ・ヒメネス カベルネ・ソーヴィニヨン オーガニック(スペイン)」の項を参照

ラベルとキャップには、BIOワインの象徴、てんとう虫が描かれていて、つい目が行ってしまうワイン。

ワインリスト13-1

「BIOワイン」とは、欧州(EU)の場合、ビオな農法(ビオロジック農法、ビオディナミ農法などの自然有機農法)で育てられたぶどうを使ったワインで、今は「BIO」もオーガニックと考えられ、名乗る場合にはオーガニック認証が必要。もちろんワインのラベルには、BIOのマークと、オーガニック認証のマークがついています。

ワインリスト13-3

(ただ日本では、ビオワインについての定義が曖昧で、自主申告のビオワインと、オーガニックワインが混同されることがあります。EUのワインで、オーガニック認証も受けている「BIO」なら安心できます)

ワイナリーは、18人のワイン愛好家によって「品質、デザイン、尊敬」をモットーに、1999年に設立された「ボデガス アルスピデ」。スペインの、カスティーリャ・ラ・マンチャの南部、バルデペニャスの標高700メートルの地でブドウを有機栽培しています。葡萄と土地への情熱に溢れ、伝統と近代的な製造法をフレキシブルに取り入れ、ワイナリーの歴史は浅いですが、評判の高いワインを製造。少しずつ生産量も増やしています。

このワイナリーが目指しているワインは、単体として楽しむワインではなく、食事との組み合わせ(マリアージュ)を楽しむワイン。そのため、このアルダレス グラシアーノ メルローも、フルボディといわれる赤ワインながら、軽い飲み口なので「冷やして飲むと美味しい」という声もあります。

ワインリスト13-2

「アルダレス グラシアーノ メルロー」は、グラシアーノ70%、メルロー30%。グラシアーノという品種は、天候にかなり左右される品種ですが、色が濃く、しっかりした酸味のある、芳香に富んだワインが造れます。デリケートで希少な品種だったため、高級ワインに補助的にブレンドされ、華やかなアロマとエレガントな風味を加えるため使用されてきましたが、今は、グラシアーノ100%のワインを作るワイナリーもあります。

フルボディとありますが、そこまでしっかりした感じではなく軽めで、飲みやすかったです。メルローが入っているらしい華やかなアロマもあり、ほんの少しスモーキーな感じもします。説明では、「ブラックチェリーを想わせる豊かな果実味にほのかなスパイスのニュアンスがアクセント」ということですが、シンプルでもなく、複雑すぎる味わいでもなく、とても飲みやすいワインでした。

vivino.comでは最近の評価は、Not enough ratings yetで分かりませんが、2011年が3.0。アメリカだと$8ぐらいの、手頃なワインのようです(2022年現在)。日本のvinicaだと、評価は2.85と中間的なところ。さらっと飲めて美味しい、というような声が多いです。詳しい人の口コミには「メルローらしい香り。 まろやかだが、タンニンが力強く感じられ、その中に酸味が溶け込んでいる。・・・タンニンの余韻は長い」というのもありました。

このシリーズには、赤・白の他、サングリアの「アルダレス オーガニック サングリア」もあるとのこと。少し甘いようですが、自然派ワインのサングリアも飲んでみたいです。

14.ヴィラ・エレナ キャンティ オーガニック(イタリア)

Villa Elena Chianti Organic 2020
ヴィラ・エレナ キャンティ オーガニック

キャンティにオーガニックがあるのを発見!思わず、買ってしまいました。

ワインリスト14-1

思えば「キャンティ」は、東京・六本木(というか港区麻布台)のイタリアン・レストランの名前として1960年から多くの人に馴染みのある名前。もちろんこのレストランの名前は、イタリアン・ワイン「キャンティ」にちなんでつけられています。

この、映画監督、作家、音楽家、デザイナー、そして皇室関係者まで様々な文化人が交流した華やかなレストランのことはウィキペディアに任せるとして、ワインの「キャンティ」は、19世紀から、とても飲みやすい、トスカーナ地方を代表するワインとして人気でした。

それまでのトスカーナのワインは、サンジョヴェーゼ種のブドウのみで作られ、硬質な味で飲みにくかったのですが、他の品種を混ぜることでとても飲みやすくなったのです。

その後、国外でも大変人気になり、乱造されて質の悪い安いキャンティも出てきたため、生産者の一部が「キャンティ クラシコ」という組合を結成。品質にこだわることで、再度高い評価を得るようになりました。

ワインリスト14-2

キャンティは庶民的なイメージもありますが、実はイタリア・ワインの格付けの中では、最上位の等級であるD.O.C.G.ワインに分類されます。その中でさらに、「D.O.C.G キャンティ」「D.O.C.G キャンティ クラシコ」「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」の3つに格付けされます。

「D.O.C.G キャンティ」はトスカーナ地方全般で造られ、使うぶどうの品種は『サンジョヴェーゼ種70%以上、白ブドウ10%以内、黒ブドウ15%以内』と決まっています。

「D.O.C.G キャンティ クラシコ」は、最も歴史のあるキャンティ地方のみで醸造されます。ブドウ品種は、『サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみ』。そして、最高の格付けの「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」は、『サンジョヴェーゼ種80%以上、その他は黒ブドウのみ』で、さらに『全て自社畑のぶどうに限る』という条件付き。

熟成期間もそれぞれ決まっていて、「D.O.C.G キャンティ」は最低でも収穫年の翌年2月末まで、「D.O.C.G キャンティ クラシコ」は収穫年の翌年9月末まで(リゼルヴァの場合は24ヶ月(瓶内では 3ヶ月))、「D.O.C.G キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ」は最低30ヶ月(瓶内では 3ヶ月)です。

このワインの生産者は、Cantina Sorelli (キャンティーナ ソレッリ)。ソレッリは、1900年にフィレンツェに創られた、キャンティを代々造り続けている家族経営のワイナリーです。コストパフォーマンスの高いワインを安定して提供しています。

オーガニックは2種類作っているようですが、このヴィラ・エレナ キャンティ オーガニックは、もう一つのソレッリ キャンティ・オーガニックより若干安めのようです。(どちらも日本で千円台前半ですが)

とても深いルビーレッド色で、やや辛口。辛めでも軽くて飲みやすいのですが、1日ほど置いておくと、さらに大変飲みやすく、ワインの説明にある果実の香りや程よいタンニンが分かるようになりました。(それまでのショップの保管状態にもよると思うので一概には言えませんが)

ワインサイトのvinica.meでもvivino.comでも口コミが少なく、評価はそれぞれ2.75、3.3。コスパがとても良く飲みやすいキャンティです。

15.バルーン ネロダヴォラ オーガニック(イタリア)★★★

Balloon Nero d’Avola
(ワイナリー:ボッタ―/ボッターカルロ))

可愛い紙に包まれたような姿に、思わずジャケ買い。大正解でした!

ネオタボラ1

イタリアのワイナリー(家族経営の会社)ボッタ―・カルロ(Botter/Carlo Botter)のワインで、葡萄はシチリアで有機栽培されたネロ・ダヴォラ/ダヴォーラ(Nero d’Avola)100%。農薬や化学肥は一切不使用の、EU認定のオーガニック農法で育てられた質の高い葡萄で、さらに、陰干しぶどうを部分的に使用しています。

陰干しぶどうのお陰なのか、深みのあるコクと甘みが感じられる力強い味わい。ベリー類を感じさせるフルーティさと、適度なタンニンがとてもバランス良く、私の感覚ではややスモーキーな感じもして、とても美味しかったです。数日かけて飲みましたが、最後まで飽きることなく楽しめました。ミディアム・ボディです。

バルーン(=気球)という名前は、「気球のような膨らみのある豊かな味わい」を表現し、また、シチリアから世界に飛び立つ、という意味も込めてつけられました。

ネオタヴォラ2

ネロ・ダヴォラという葡萄品種は、シチリア島が誇る品種で、古代ローマ時代から栽培されてきた伝統的な歴史ある葡萄です。実はイタリアは南北に長いため、伝統的な葡萄が430品種ほどもあります。フランスワインのような味を出すためにフランス原産の葡萄を栽培・使用するワイナリーも多い中、ボッタ―は、様々なイタリアの伝統的葡萄を使い美味しいワインを作り続けている生産者です。何だか応援したくなりますね。

vivino.comの評価では3.6。2018年物が一番高い評価になっています。この美味しさで、値段は1000円台後半なので、とてもコスパのいい、おすすめのワインです。

暑い夏は、シチリア流に少し冷やして飲むといいようです。

ボトルの後ろ姿も素敵です。日本の着物を連想してしまうのは、私だけでしょうか。

ネロダヴォラ3

◆ワインの亜硫酸塩について

ワインには、酸化防止や殺菌効果、保存のためなどに亜硫酸塩(SO2)が添加されています。亜硫酸塩は、ワインが創られ始めた古代ローマ時代から、樽の消毒などに使われていました。葡萄が発酵する過程でも少量、自然に発生するもので、ワインの味とも深く結びついています。

ただこれが、肝臓の働きを鈍化させたり、糖とアルコールの分解を遅くすると言われ、ワインを飲んだ後の頭痛の原因になっている場合もあります。さらに喘息の人だと、少量の摂取で有害反応を起こすことも稀にあると言われています。

ワインの生産者は現在では、いかに亜硫酸塩の量を減らして美味しいワインを作るかに切磋琢磨していますが、安いワインを大量生産しているメーカーには、亜硫酸塩の量など全く気にしていないところもあります。

そこで、美味しくて、少しでも体に害のないワインを飲みたいので、今は選ぶなら、明確な基準のあるEUのオーガニック認証を受けたワインにしています。EUは2012年、オーガニック認証ワインの基準を制定し、醸造方法やワインに含まれる物質の細かいルールを設定。その中で、亜硫酸塩の添加量の上限も決めています。(赤ワインは使用上限が1リットルにつき100mg、白ワイン・ロゼワインは1リットルにつき150mg。白ワインとロゼワインでは残糖が1リットルにつき2g以上の場合、上限を1リットルにつき30ml引き上げられます)